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呪いと日本人 (角川ソフィア文庫)

呪いと日本人 (角川ソフィア文庫)

呪いと日本人 (角川ソフィア文庫)

作家
小松和彦
出版社
KADOKAWA/角川学芸出版
発売日
2014-07-25
ISBN
9784044083212
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呪いと日本人 (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー

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鷺@みんさー

95年に発行されたものの文庫版。なるほど、当時は今よりオカルトブームだったきがする。著者は小松和彦先生であるからして、いざなぎ流や密教や陰陽道など、私がこれまでいろんな小説で読んできたあれやこれやの「呪い」の流派を学術的に紹介しているが、「そもそも呪いの心ってなぜ生まれるのか?」を常に解こうとしているのが興味深い。曰く、呪いは一種パフォーマンスであり、高い地位の人や幸福続きの人が妬まれた上に失脚したり、あるいは治せない病などがある場合に、呪いのせいにできる、という。→

2018/12/02

イトノコ

キンドル合冊版。中世に確立された日本の呪い文化について。生者からの呪い/死者からの呪詛=怨霊と分けて、中世の執政者は要人の病から国家的な災害まで呪いが原因と考えた。本書の後半では呪い=ケガレとして、様々な儀礼はケガレ=呪いを祓うため、依代にケガレを押し付けてソトに追い遣るためのものとは飛躍があると感じつつも妙に納得できるところも。終盤に出てきた「御祓い箱」と言う言葉は用済みの意味だけでなく元はケガレを押し付けられ中央から追放された者を指す言葉なのか。それなら今日の政治の不祥事への対応も御祓い箱ばかりだ。

2023/12/17

テツ

本来何の意味もないモノ&コトに対象者がネガティブに感じる意味付けをすることが呪い(ポジティブな意味付けは祝い) である。つまり呪いというものは人間がいない世界には存在しない。少なくとも人間がいて、「わたし」と「あなた」という関係性がなければ発生しない。ああ。確かに文化的な行為であり、人間由来の行為だなあ。自分自身の中に渦巻くどうしようもない蟠りを消化するために、人を呪うということが必要な場合だってあるのかもな。自然に意味を見出す(まあそんなものないんだが)ということを最初にした人間は凄い。

2019/08/19

ミエル

まとまりが良く読み易い。呪いに関する歴史、手法等、参考文献からの抜粋が絶妙。個人的には、いざなぎ流にはじまる四国地方の呪詛の歴史をもう少し深く読み込みたい。呪いは今もフィクションではないという事実が不思議でならない。

2014/11/07

稲花

何年か前に高知県に伝わる「いざなぎ流」と言う呪詛信仰が今も残る地域があると知った。 呪いと聞くと何だか嫌な響きだが、古代から伝わる呪詛信仰は善悪含めて人々の精神的な拠り処のようなものになっていたんだと思う。でも現代人はそのような目に見えないものを信じなくなっている。呪詛と言われるものの考え方や、やり方も時代と共に変化していく事など分かり易く読みやすかった。いざなぎ流も今後どの様に人との関係を作っていくのだろう。小松さんの研究をこれからも追いかけてみたいです。高知県にも今度ゆっくりと訪ねてみたいです。

2019/02/12

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