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柳田国男傑作選 神隠し・隠れ里 (角川ソフィア文庫)

柳田国男傑作選 神隠し・隠れ里 (角川ソフィア文庫)

柳田国男傑作選 神隠し・隠れ里 (角川ソフィア文庫)

作家
柳田国男
大塚英志
出版社
KADOKAWA/角川学芸出版
発売日
2014-09-25
ISBN
9784044083236
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柳田国男傑作選 神隠し・隠れ里 (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー

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HANA

柳田の膨大な著作の中から神隠しや隠れ里に関する論考を選んだアンソロジー。ただこのテーマと編者の意図するロマンスと社会学の二面性という双方を選んでいるせいか、全体的にまとまりに欠けているような印象を受けた。ただそれ故か、かえってあまり目にする機会のない話が多数含まれているのはありがたい。今まであまりにも有名だが読む機会のなかった「故郷七十年」中の布川の絵馬の話や神戸のおばさん、青空に星を見た話や「甲賀三郎の話」における説話と語りの伝播、耳たぶに穴のある話等、小さい論考まで隅々まで興味深い論考ばかりであった。

2014/12/04

イトノコ

柳田國男の文章の中から、神隠しと隠れ里に関するものを集めた作品集。/随筆からいかにも民俗学なものまで、読む側も姿勢を定め難い本だった。第一部の神隠しについては少々退屈。しかし神隠しの第一部に小児生存権についての文章を入れると言うことは、やはり神隠しは不慮の死亡(事故・事件含む)や口減らし、人身売買を示す隠語だったのか?隠れ里についての第二部、甲賀三郎の伝承が東日本と近畿で異なることを、地域に占める宗教のウェイトに絡めた考察は興味深かった。伝説の系統と分類も、各地の伝説はわずか十数種類に分類できると言う…。

2021/09/16

寝落ち6段

新しい時代にしていくためには、今まで語られてきたことの本質を見定めなければならない。荒唐無稽な、そんなわけのわからないことがあるわけがないという民間伝承がなぜ語られているのか。それも、神隠しや隠れ里といった異界は、日本各地で語られているのはどうしてだろう。おそらく何か不可解なことがあったのだろうが、それを説明する装置として異界が使われるのである。でも、異界は語る人々にとっては憧れだったのかもしれない。そんな憧れを紐解こうとすることが、憧れの国を目指すために必要だったのかもしれない。

2021/06/23

れどれ

人さらいや神隠しにまつわる柳田國男の文章を集めたもの。資料として読み込むはずが、ただたんに読みものとしてべらぼうに面白いものだから参った。信用ならない編者の影に不安があったもののほとんど気にならず。ふいに人がいなくなるという異常事態が怪奇現象ではなく日常のすぐ横にある風景のように語られる。その語り草に引き込まれた。

2022/11/19

Schuhschnabel

「故郷七十年」からの抜粋は、どうして柳田國男という人間がこういう仕上がりになったのかを自問自答していて結構面白いが、それ以外の文章は何を意図しているのか正直よくわからなかった。

2021/03/31

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