新版 精神分析入門 下 (角川ソフィア文庫)
新版 精神分析入門 下 (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー
ぺったらぺたら子
全編に渡って考えていたのは、フィクションとは何なのかということ。所謂「白日夢」を形にしたもので、尚且つ「顕在夢」的な側面もある。それが自分自身を統合したり、また他人をも統合していくものでもある。言わば他人の夢を共有するようなものだ。また、汎性欲説が批判される中心ではあるが、そこから糸口を得ずにはここまで辿れなかったのではないかと言う気がする。図式的に知識を得るには後の人の入門書等がわかりやすいだろうけど、偉大な先駆者の思考に直に触れる喜びがあった。かなり難しかったけど。
2023/09/14
いりあ
Sigmund Freudが1915年から1917年にかけてウィーン大学で行った精神分析に関する一般向けの講義を編集したものです。一般向けの講義なので、フロイトの著書の中では比較的分かりやすく、フロイト入門として最適だと思います。こちらは下巻で、"神経症"について解説されています。ついに精神分析への門を開くわけですが、各講義で神経症ごとにアプローチの着目点を解説されており、どの講義もかなり内容が詰め込まれています。色々と批判される事も多い、フロイト先生ですが、やはり、先人に学ぶ部分は大きいと感じました。
2015/03/06
こうきち
なるほど。下巻の方が面白かったな。
2017/12/21
ゆうき
リビドーという無意識にある性的衝動が私たちの根源である。男性の最初のリビドーは幼少期に母親を性的に略奪したい欲望だが、父親に性器を切り取られる恐怖を産み、女性は男性器がないという違いを知りエディプスコンプレックスとなり無意識に私達を抑圧している。そしてリビドーのバランスが崩れた時にヒステリーや精神疾患を起こす。その治療として精神分析が行われるが患者が医者に転移を起こし憎悪、激しく恋焦がれたりする場合がある。精神分析は廃れたがフロイトの無意識の発見は自分で全てをコントロール出来ないとい事を教えてくれた。
2013/02/23
T.M.
小此木啓吾の「フロイト精神分析入門」を読んで予習をしてから本書に当たったので比較的読みやすいと感じたが、難関は22章と23章だった。ここでいうリビドーが、目に見えない何かであるにも関わらず物理的な性質を持ったあるものとして詳細に記述されていく様は壮観。この2章のために本書があると思う。また最後の2章での精神分析家としての倫理を説く箇所もとても参考になる。読んで思うのは精神分析という理論そのものが有用なのではなくてそれを考え出したフロイトが凄すぎるという事。
2015/07/03
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