愚者の道 (角川文庫 な 34-14)
愚者の道 (角川文庫 な 34-14) / 感想・レビュー
やまねっと
中村うさぎの悩みは深い。人間の根源を探っている様である。自分を愚者と称し懺悔という文章を綴っている。 僕からみたら答えはない、というのが結論だ。依存体質の著者がハマったらそこから抜け出るのも苦労した様に、救済という藁を掴めたのも夫がいたからだと思う。たとえ夫がゲイであれ数々の愚行を赦してくれた夫は人格者だと思う。 辛い経験だったと思うが、一つ答えを導き出せたのならこの本を出せたことが救済の一つだったのではないだろうか。 もう30年近くファンなので何がなんでも応援してます。本出したら買います。
2024/10/21
、
中村うさぎの自己を解剖する能力はほんとうにすごい。いつもおもうけど。よくこれで本当に発狂したりしないなと思う。彼女が拘ってる客観性のお陰なのか、思考の流れに無理がないからきちんと理解できてああーーこんな人もいるのかあ、という気持ちになる。彼女はたしかに凡庸だと思うけど(天才ではないよねもちろん)でも思考停止を絶対しないっていてやるっいうプライドにまぶしい非凡さがあるよね。最近ニュースでみたけど病気大丈夫かなあ。
2013/12/22
PPP
★★★★★:『愚者…すべてのものを手に入れ、すべてのものを無に帰す者。素晴らしきアンポンタン。』大概の人は自分の底の愚者を抱えて、ひた隠しに賢者のフリをしたりするもの。自分が本当に欲するものは何なのか?うさぎ氏の苦悩は女性の真髄をついている。うさぎ氏の愚かさは奇抜な行動(ただただ欲求に我慢がない)であって、深層心理は皆大差ないのかもしれない。正面切って愚者なる自分自身に問いかけられる勇気に突き抜けた信念を感じます。女たちの〝同族嫌悪〟は根が深い!に…苦笑&痛感でした。
2017/05/04
wdzm
相変わらずのうさぎ節。身を切るようなコンプレックス感と、無限ループのような客観視の繰り返しは、もうとても他人事と思って読めるような感覚ではなく、すっかりのめり込んだ。執拗なまでに「客観」を追い求める偏執狂的な姿は、もう相変わらずとしか言いようのない、この作者独特の「破滅感」を体現していると思う。「ゴクドーくん」からの変遷を知っていて、なおかつ根っこの部分はなんら変わっていない、というのがわかるだけに、この感覚は本当に面白い。
2008/02/24
なつき
エッセイ『愚者の道』再読。中学のときにこれでもかってほど読んでいて、ひさしぶりに読んだのだが、あのときよりは言葉がどうしてもこれしかないけど「わかる」ようになってたなー。それは、けっきょくのところ、最終的に究極的には「わかんないんだ」ってとこに行き着くわけで。仄暗い快感ね……。
2019/02/03
感想・レビューをもっと見る