試作品神話 (角川文庫 お 39-99)
試作品神話 (角川文庫 お 39-99) / 感想・レビュー
tomo*tin
ベビー・ディケンズとサリンジャーとヘミングウェイとナバコフとエズラ・パウンドと僕。大人に「ならない」特別な子供。「神様」を見つけた特別な僕たち。きっとどこにでもいる、特別な子供。だけど、特別だの子供だの大人だのという言葉には何の魔力も宿らないから、どんなにくだらない道でも自分で選んで進むことに意味があるんだね、たぶんね。西島大介の絵がとても良い。
2009/09/01
Yuuki.
昔、大塚英志の『多重人格探偵サイコ』シリーズにハマったので、偶然本屋さんでこの本を見つけて大塚英志の名前だけで買ってしまったが、『サイコ』シリーズとは全く毛色が違った。大人向けのファンタジー。イラストはカラフルで可愛いけれど、内容は決して明るいばかりではない。物悲しさも感じさせるこのお話、なかなか好き。ただ、演出としての無地のページにはちょっとウンザリ。無地のページ、ちょっと多過ぎやしないかい?あまり何ページも続くと想像力をかき立てられる前に、「またぁ!?」という感情が生まれてしまった。。。
2017/12/12
リタ
大塚英志さんの文と西島大介さんの絵からなる絵物語。大人にならない子ども達は、神様を拾い神様を育て、大人がつくった世界を破壊する。そして、完璧に成長した神様から楽園を差し出されます。でもその楽園は、哀しくて孤独で、自由という束縛に満ちあふれた世界だった。たとえ不自由でも、花が咲いてる星がいい。普通にしかなれなくても、ちゃんと大人になれる自分がいい。そんな気持ちに気付いた子ども達は、神様を置いてどこまでもきっとゆける。そんな気がしました。本当の神話が語られる前夜、ひとつの神話が生まれ、消滅するまでの物語です。
2015/02/02
多田幾多
大人になりたくない子供。世界の秘密を話、対抗するよう諭すかみさま。 なんだか、ピーターパンのようだね。
2013/05/17
☆真夢☆
子どもの頃は自分が特別な子どもかもしれないと思い、それを願わずにはいられなかった。でも、家族や友達という社会の中で成長して大切なコトを知る。自分以外に特別なコトができていく、それが大人になっていくということなんだろう。真っ白や真っ赤やいろんな色のまっさらなページにどんな物語を感じるかはきっと人それぞれ。大人になることは少し切なくて少し悲しくて少し寂しい…でもとても幸せなことなのかもしれない。
2009/09/16
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