ガンヘッド正伝―蘇る機神 (角川文庫―スニーカー文庫)
ガンヘッド正伝―蘇る機神 (角川文庫―スニーカー文庫) / 感想・レビュー
まえすとろ
1989年に公開された実写巨大ロボット特撮映画『ガンヘッド』のノベライゼーション。企画当初から脚本に携わっていた作者が二転三転して完成した脚本の主人公とヒロインを少年少女に置き換えたボーイ・ミーツ・ガールな設定に映画の基本プロットを加味した小説版のストーリーは80年代に普及しだした家庭用ビデオと共に急速に発展したOVA(オリジナルビデオアニメ)作品のようなサンライズアニメ的ストーリー展開がなされ、ロボットアニメファン獲得をも視野に入れたメディアミックス化された本書はまさに現在の「ライトノベル」の先駆け。
2015/01/13
まえすとろ
SF特撮映画『ガンヘッド』の原案を元に書き起こされた小説版。主人公や基本的な設定を残し、読み物として新たにストーリーを再構築したノベライゼーションとスピンオフ作品の中間を行く展開となっており映画、小説版の双方で楽しめるようにアレンジがなされる展開方法は1980年代後半頃から始まった映像、音楽、書籍などのマルチメディアにまたがるように商品やサービスを展開する《メディアミックス》と呼ばれる商業形態の聡明期において、映画やアニメ作品のストーリーを活字媒体として対象年齢を引き上げた「ヤングアダルト作品」
2012/11/15
やきなす
映画版の小説化作品だが、時代設定をはじめとしてかなり改変がなされている。主人公ブルックリンは少年といっていい年齢設定で、ニムとの出会いはボーイミーツガール的であり、舞台のカイロンタワーは彼の故郷だ。過去を見据えながら未来へと向かう少年の成長が、無法者たちの宝探しや、未知の島で得体の知れない化け物に襲われる恐怖、ガンヘッドを駆っての戦いなど、胸躍る活劇とうまく絡んでいる。「火と知の神話はともに滅んだ」…そんな哲学的な?謎も味わいとしてよい。ロボットアクションモノの傑作と思う
2012/01/11
感想・レビューをもっと見る