「絶望の時代」の希望の恋愛学
「絶望の時代」の希望の恋愛学 / 感想・レビュー
Y
恋愛学というかナンパの哲学って感じだった。途中セックスがゲシュタルト崩壊した。ナンパ云々はピンと来なかったけど対人関係における極意みたいなものは学べた。自己防衛はさっさとやめて相手に関心を寄せること、そのためには自分を開いていくことが大事だという。あと雑誌のモテ特集なんかでは好きな相手の好みに合わせることをおすすめしていることが多いけど、この本では「知らない魅力的な世界に連れて行ってくれそう」と思わせるように、あえて知らない世界を提示することが効果的なアピールにつながるという話がおもしろかった。
2014/02/11
小鈴
エピローグだけは読む価値あり。風俗嬢の参入動機を三つに分け、ギャル系、清楚OL系の動機背景には親への恨みがある。ギャル系にはネグレクト親、清楚系は過干渉教育親がいるが、この二つの系統が客を物格化(モノ扱い)する。過干渉された男子は母親に制御されルサンチマンを抱えているので、今度は復讐的に女子を制御しようとする。子どもをモノ扱いする親が増えたため、子どもも互いにモノ扱いするので、この物格化の連鎖を断ち切ろうというお話。エピ前までの宮台のナンパ体験の話は、実はそのトラウマを乗り越えた俺の話に過ぎない。
2014/01/06
ミズグ
宮台 :一人の人間との間に、もっとディープで、カオス的で、内省的な関係を見つけることにだけ、執着します。僕もこれが結婚の動機だな。
2014/03/08
Arowana
『宮台が「性愛」に帰ってきた!』という帯w I'll be bacKかw 論理を展開し最後はメタで破壊的創造を狙うトリッキーぶり。ニーチェやアインシュタインばりにぶっ飛んでいる感があります。<変性意識状態>とか、苫米地さんっぽい新たなネタもまた出てきたので面白く読めました。(それにしてもなんで人ってこんなにセックスセックスと強迫観念的に煽り合うんだろう?と首をかしげる僕は非常識なんだろうか。なくても生きられるのでは?たかがセックスされどセックスということ?まあ、人間の欲望は全て幻想といえばそれまでだが…)
2014/02/10
ねこさん
この本を読んで思い出すのは、おそらくネグレクト的な環境と、今のこの自分ではなかったのではないかという可能性への復讐対象として、女性を意識していた時期があったことだ。虐待ではなくむしろ求められるものを演じる騙しによって、相手の執着を勝ち得るという行為。そこから離脱できたのは、虚構を供すようなコミュニケーションの中、実際は自身が女性から与えられていたからに他ならないし、誰かのトレースや成功体験の反復、その自発性の中に他者の心の遷移やその世界を想像する癖や、利他的な内発性を自分の中に見出すことができたからだ。
2017/06/21
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