にほんのうた 音曲と楽器と芸能にまつわる邦楽通史
「にほんのうた 音曲と楽器と芸能にまつわる邦楽通史」のおすすめレビュー
「日本の音楽は一貫した歴史観がなく、うまく解説できない」縄文から平成までの、ありとあらゆる邦楽と政治・カネ・産業・紛争などとの関係性をひもとく1冊
『にほんのうた音曲と楽器と芸能にまつわる邦楽通史』(みの/KADOKAWA) iTunesやSpotify等の音楽サブスクリプションや、TikTokをはじめとするSNSの普及により、昔と比べて音楽の入手方法や視聴方法が多様化した。そして、パソコンソフトで歌声を作成するボーカロイドの誕生であったり、親指1つで時代や世界を超えて曲が聞けたりと、時代の潮流に反映されながら、音楽の在り方が変遷し続けている現代。 「日本の音楽は一貫した歴史観がないため、うまく解説できない」そう語るのは、チャンネル登録者数44万人を超えるYouTuber、「みのミュージック」のみの氏。古今東西の音楽について語り、解説し、評論をする動画が、多くの音楽ファンを魅了している。邦楽通説史がないということに、長年疑問を抱き、それを自らの手で解決しようとしたのが『にほんのうた音曲と楽器と芸能にまつわる邦楽通史』(みの/KADOKAWA)である。本書は、縄文時代から平成時代までのありとあらゆる邦楽と政治、カネ、産業、紛争等の結びつきを紐解き、より音楽の素晴らしさを再認識できるような一冊である。 邦楽通説史が誕生したからこそわかる、「にほん…
2024/3/17
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にほんのうた 音曲と楽器と芸能にまつわる邦楽通史 / 感想・レビュー
1959のコールマン
☆5。477ページの大著!まずはみの氏に「お疲れ様でした」の言葉とともに感謝の意を表しておきたい。これで邦楽通史の基礎が築かれた。あとは後進がこれに肉付けをしていくのだ。確かにこれは邦楽史の完成形ではない。全体としては、レジュメ、というところだ。江戸時代後期までの流れが駆け足になっているのも不満点。とはいえ独自のカラーも出している。例えばみの氏が大好きなはずのはっぴいえんど。本文の扱いはあっさりで、しかも、「日本語ロック論争」はカット。その代わりにキャロルの日本語ロックへの影響をさらっと書いている。↓
2024/03/10
akihiko810/アカウント移行中
音楽youtuberみのによる、「日本の音楽通史」。縄文音楽から現代の音楽に至るまで。印書度A- なんという労作。縄文音楽から現代音楽までの「通史」を上梓するという、なんと無謀な仕事なのだろうか。よくぞやったというか。 本書中盤の「戦後の音楽」から読み始めたのだが、面白かった。「ロック精神とヒットの両立」「大衆性と精神性の両立」を成し遂げたサザン桑田を「桑田佳祐モデル」と名付け、のちの多くのミュージシャンたちに参照、採用されたというのには納得。あと、宇多田ヒカルの新しさは、
2024/07/25
山田太郎
通史ということではあるので、あんまり興味が持てない前半の古い時代は割と飛ばして読む。なんだかわかったようなわかんないような気がしないでもないというか、もう老年期にさしかかっているので、昔はよかったなと思いつつ読む。チーム友達とかラップが流行してるらしいですが、やってる人がとても友達大事にしそうもないように思えるというか判断基準は俺の敵か味方かとか聞いてきそうな人ではないかと思った。
2024/05/02
しゅん
こんだけやるのは大変だったろうなと思いますので、労いたいと思います。「歴史を書く」ってなんだろなぁと考えながら一気に読みました。日本人の国民意識を担う「うた」が必要、というのが著者の意識。前著『戦いの音楽史』のあとがきから持続している問い。アメリカの音楽収集で著名なアラン・ローマックスが別の場で三度名を出しているのは、ローマックスと同じ作業を自分がやらなくてはならないという意識の表れに思える。
2024/03/05
amanon
事実誤認や、つい首を傾げたくなるような解釈、そして誤植が気になるものの、それでも著者後書きを読むとそれらのマイナス要素を全て許してしまえる気になる程の力作。僕の子供世代と言っていいほど若い著者があたかもリアルタイムで接してきたかのような筆致で日本のポップについて熱く語るだけならまだしも、古代から掘り下げて日本の音楽を通史として綴るというのは殆ど離れ業ともいうべき偉業。著者自身、この著書をまだ八合目と言っているように、本書を一つの礎に、より深く掘り下げた日本音楽通史が今後より世にでることを強く期待する。
2024/05/13
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