心臓に毛が生えている理由
心臓に毛が生えている理由 / 感想・レビュー
ミナコ@灯れ松明の火
下ネタであろうが毒舌であろうが、本当に知的な人が語れば下品になることがない、という証明。言葉を学ぶことはその国の文化を学ぶことに通じるのだと信じさせてくれるエピソードの数々は、言葉を学ぶものにとってとても追い風になるものだと感じた。『嘘つきアーニャ~』に通じるようなエピソードもあり、ファンとしてはうれしい限り。もう二度と米原さんの新しい言葉に触れることができないことがただただ悲しいです。
2012/02/15
Gotoran
著者の旧共産圏で過ごした多感な思春期、及びロシア語同時通訳者としての豊富な経験に裏付けられた71編のエッセイと1つの対談集。ウイットとユーモアに溢れ、また辛口でピリッと胡椒の効いた、歯に衣着せぬ文章が、軽快で、心地よい。速読が苦手な私でも、一気読みしてしまった。範囲は、言葉、政治・経済、はたまた歴史・文化等、多岐に亘っている。情感豊かで、ユーモアと魅力に溢れる著者であるが、今はいない。コメンテーターとして出演されていたブロードキャスター(TBS)での映像を脳裏に思い浮かべつつ。他2冊も必読要す。
2011/11/13
ジュール リブレ
辛口な小気味良い切れ味の、米原万里エッセイ。このくらい知識をもって、そのうえで竹を割ったような… 楽しませてもらいました。言葉を学ぶということイコール文化を学ぶこと、ですよね。
2011/07/03
鱒子
図書館本。名書「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」の裏話が知りたくて、このエッセイを読みました。著者が幼年期を過ごしたプラハのソビエト学校について書いてあったのは、全体から見ればほんの少しだったのですが、また「アーニャ」の世界を垣間見ることができました。あー、また「アーニャ」が読みたくなったなあ。
2016/02/17
つきみ
比較文化論的なエッセイで、米原節を満喫できた一冊。米原さんの文章はテンポもリズムもちょうどよく、人を引き込む才能があるなと実感。ただ新聞などに掲載された文章が多いため、一話ごとのボリュームが少なく、物足りない感じもした。「オリガモリソヴナの反語法」が満腹感があって好き。
2012/03/05
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