パピヨン
パピヨン / 感想・レビュー
ann
キューブラー・ロス著「死ぬ瞬間」は20年前に読んだ。当時は自分も親も若く、終末医療は身近に感じられなかった。ターミナルケアの先駆者のロスが、ある意味オカルト的な評価を受け、失意の晩年を送ったとは知らなかった。田口ランディは好きな作家だし、ロスに偶然インスパイアされたのも必然だったとファンとして思う。フロイト、ユング、ロス、遠藤周作、河合隼雄、そして田口ランディ。少しずつの複雑な繋がりが続いていく。ランディさんが父親の終末医療で親子の関係を見つめ直せて良かった。どんな形の親子であれ。
2015/12/03
みあお
偶然にも、エリザベス・キューブラー・ロスの本に挫折したところで手にしてしまった。田口さんの本はいつも重くのしかかる。読むのにすごくエネルギーを使ってしまう。父が亡くなった時、お坊さんが「仏様は、仏様となってから、たくさんのことを教えてくれる」とおっしゃっていたことを思い出した。先に旅立った人は、雄弁に物語るものなのだ。「私は大丈夫でない。あなたも大丈夫でない。だからそれで大丈夫。」あるがままを受け入れること。ロスの本を、また改めて読んでみたいと思う。
2014/04/26
バーベナ
「死の受容五段階モデル」を唱えたエリザベス・キュープラー・ロスを知り理解しようとしていく日々の中で、父親の死がリンクする。『死』はその当人だけでなく、周りも巻き込む。身近な人間が『死』に至るまでの過程を、精神的にも、現実的にもどう付き合っていくか・・。心の準備をしておくこと、たとえ役に立たないとしても、やはり覚悟をしておくためには、読んで良かったと思った。
2016/04/24
mari
こんなに深く壮大な物語になるとは全く想像していなかった。不思議な偶然でロスに魅入られ、蝶を探し求め、その答えはリアルでクリアで辛く悲しく切ないけど。。。すこしあったかい。蝶ってシンボリックですね。
2012/08/20
うちこ
この本を読んだら、物語とシンクロするエリザベス・キーュブラー・ロスという人物よりも、ノーベル平和賞を受賞した頃のマザー・テレサについてもっと知りたくなりました。ものすごく下世話な感情が解凍されてしまった。マザー・テレサの内面告白を本人が亡くなってから公開する神父がこの世にいるなんて驚きだし、人には「告白」が必要で、そうでもしないとやっとれんということなのだろうか。他人に求められる告白や儀式的な告白ではなく、自発的な告白。それすらのちのち暴露されてしまう聖人は大変だ。
2018/09/26
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