まんが学特講 目からウロコの戦後まんが史
まんが学特講 目からウロコの戦後まんが史 / 感想・レビュー
ハイランド
完結には至らないだろうと、多くの読者が感じていた歴史漫画の金字塔「風雲児たち」作者のみなもと太郎氏の逝去の報に、ああやっぱり。多分再読と思うが追悼の意を込めて読了。正直ペンタッチの違いや劇画の歴史、戦前の漫画はようわからん。アニメの洗礼を幼少期に受けたかどうかでコマ割りや動きに対する感性が違うというのは納得。少女漫画は二十四年組が変えたという認識が共通だと思うが、西谷祥子が初めて少女漫画に文学を持ち込んだという指摘は新鮮。姿三四郎型主人公が昭和四十年を境に人気を失っていったのも成程。勉強になった一冊。
2021/09/18
ぐうぐう
全身に電気が走り、おまけに腰が砕けそうになる、衝撃的で革新的な漫画論だ。すべては、みなもと太郎の目と体験から語られる。それは、貸本劇画を軸とする漫画史である。その視点からは、いわゆるトキワ荘・24年組史観では見えてこない、新たなる漫画の歴史が浮かび上がってくるのだ。もちろん、みなもとの独特な感性があっての発見や価値も多いが、にしても驚きの連続に心臓が持たない。みなもと曰く「手塚治虫の新しさには先行する世代があった」、(つづく)
2024/02/26
akihiko810/アカウント移行中
漫画コレクターでもある漫画家・みなもと太郎が、自信がみてきた、調べた日本漫画史を、大塚に講義した、「漫画史」講義。印象度A+ 日本の漫画史というと、手塚を筆頭とする「トキワ荘グループ」から、萩尾望都ら24年組の登場、ということで括られてしまうことが多いが、実際は手塚の頃から「貸本劇画」という流れがあって、これが24年組を筆頭に後世の漫画に多大な影響を与えたのだ、みなもと太郎自身もパロディギャグ漫画だが、貸本漫画の血脈を継いで登場したのだ、と力説する。しかし、さいとう・たかをの功績が実は凄いな。
2022/01/31
おーしつ
いわゆる「トキワ荘・二十四年組史観」から抜け落ちているマンガ史を、みなもと太郎がホモホモ7を描く上で影響を受けた作家とその系譜、また時代の空気・価値観を含めてどう成立していたかを語る。 実作者(しかもメインストリームの鏡であるギャグの)であり、無類のマンガ通であるみなもとの視点はまさに「目からウロコ」ものであるが、 世代間によってその影響元の違いは間違いなくあるだろうから、他の世代のマンガ家さんにもこのレベルのマンガ史語りをしてもらい、多角的にミッシングリンクを埋め後世に伝えていって欲しいと思う。
2010/09/15
里馬
めっちゃおもろい。みなもと太郎さんの起源は紙芝居からの貸本、大塚英志さんはすこし下がって雑誌とモノクロアニメ。僕は物心付いた頃からカラーのアニメが毎日幾種類もあり出版されたマンガを把握することはできなくなっている。僕がマンガを選り分ける時、一番気にするのが「絵のタッチ」ということになるけど、二人からすると読み方がそもそも違うらしい。大塚さんはみなもとさんと違ってコマの間の動きが読めない。みなもとさんはそのことについて、おそらく戦前の世代はアニメを見ていないからだ、という。動きに
2013/09/05
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