ぼくらの七日間戦争 (角川つばさ文庫)
ぼくらの七日間戦争 (角川つばさ文庫) / 感想・レビュー
徒花
おもしろかったー。タイトルだけ知ってて読んでなかった児童文学?の名作。元本が刊行されたのは1985年でバブル直前くらいの時期だろうか。学祭運動を経験した世代が親になり始めた時代で、中学生たちが横暴な大人たちに抵抗するべく廃工場に立てこもり、大人顔負けの知略で薄汚い大人たちに一泡吹かせるひと夏の物語。文書のキレが抜群で読めばスカッと爽快になる。
2020/09/21
りゅう☆
有名だけど読んだ記憶ない?体罰当然、スケ番など確かに時代の古さは感じるが、自分の理想を押し付け、子供の正直な言い分に「話にならない、もう帰りましょ」と言う母親に全く共感が持てず理解不能。校長を始め、生徒を物として捉える大人に辟易。西脇先生に対する酒井の無茶苦茶な要求、今じゃありえない暴言の数々。読んでて腹立つわ〜。そりゃ子供たちが解放に向けて立ち上がりたくなるね。だけどきっと子供の頃に読んでいたら夢を抱き、勇気がもらえ、西脇先生や瀬川さんなど信頼のできる大人の存在に安堵し、本の中で楽しい体験ができたハズ。
2016/07/10
扉のこちら側
2015年936冊め。小学生頃に読んだ記憶はあるが、当時は児童書が好きではなく入り込めなくて読み流しただけだったと思う。今となっては「子どもたちが周囲の大人たちに反旗を翻し籠城」という設定は評価する。しかし何か契機となる事件があったわけでもなく、日頃のうっ憤はあったにせよ「夏休みになったら一週間立てこもろう」と、昨今でいうプチ家出的なノリだったのが惜しい。作中では子どもたちの味方のように描かれている養護教諭の西脇先生も、大人目線だとちょっとズレている人と思ってしまう。もう少し瀬川老人が活躍したらよかった。
2015/08/05
まる
[カドフェス2015]ずっと読んでみたかった作品。中学生たちの行動力に爽快な気分にさせられたり、幼さに気恥ずかしい気持ちになったり。思想があるわけではない、漠然とした「解放区」が団結を崩すことなく続いたのは、こどもたちが純粋に尊敬できる瀬川がこどもたちのそばにいたからでしょうか。こういう大人も必要ですよね。もちろん、勉強しなさいと叱る大人も必要ですが。七日間というのがちょうどいい期間だったんだろうな。この後の彼らを想像してみるのも楽しいです。爽やかな読後感でした。それにしても中学生、技術力高過ぎ。
2015/12/18
レモン
初めて読んだ有名な作品。最近の作品かと思っていたら、結構昔に発刊されていた。どうりで学生運動やアントニオ猪木などが出てくると思った。警察を差し置き誘拐犯を捕まえたり、廃工場への不法侵入を1週間放置していたりとありえない展開が多いが、子どもの視点から見ると痛快。子どもの頃に読んでいたなら何を思っただろう。ここまで大層なことをした経験はなくとも、大人に内緒で学校をズル休みしたことなど、あの頃の高揚感と友達と過ごす楽しさを思い出す。児童書に没入できる人には、ワクワクする読書体験ができるはず。
2022/05/07
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