シートン動物記 オオカミ王ロボ ほか (角川つばさ文庫)
シートン動物記 オオカミ王ロボ ほか (角川つばさ文庫) / 感想・レビュー
白蓮
この後、柳広司さんの『シートン探偵記』を読むつもりでいるので、その予習として読みました。厳しい野性動物の世界を動物の目線から描いた動物記。特に熊のワーブの物語は、子熊時代の辛くおぞましい体験から誰にも心を開かず、孤独と知恵を糧に広大な縄張りを治めた巨熊の一生を壮大に描いた秀作です。年老いて不自由な体を引きずりながら、ガスの臭いに導かれて最期を迎える姿には涙を誘われました。狼王ロボは残酷で狡猾な狼の長でしたが、美しいメス狼の失態の為に自らの身を滅ぼすという物語。この辺は人間も同じかもしれませんね。(笑)
2015/11/01
Miho
「自然のなかには、自分が英雄になるとは少しも思わず、小さな世界で力のかぎり生き、死んでいく小さな英雄たちが数えきれないほどいる」(p.97)
2021/12/03
ゆー。
僕自身、犬を飼っていてビンゴの死んだときのことはよく分かります もしも死んでしまったら悲しいですし一回おばあちゃんの犬が死んだときに経験していますしなので共感しますね。
2014/10/11
ファーラス
小学生の頃にハードカバーでいくつか読んだが、かわいい絵で見つけたので再び。今読むと、思考と野性と闘争を当然に持つ動物と当時の人間たちのエピソードが、なんとも重たく読み応えがある。害する害される、殺す殺されるが当然の生存競争の(当時としては意図せずだろう)容赦ない筆致は、現代では「グロ注意」だとか「※鬱展開があります」などの注釈つきで、正道を逸れたマニアックな大人向けの読み物としてしか存在を許されないだろう。だがこれは15年ほど前までは当然の児童文学なのだ。角川つばさ文庫の、今や書の特異点。
2016/11/01
timeturner
動物たちが必死に生きる姿が生き生きと描かれている。長い時間をかけて辛抱強く観察し続けてきた人にだけ書ける内容。多少センチメンタルな部分はあるが、事実に即しているから素直に感動できる。ただし、表紙絵や挿絵はシートンのオリジナル画を使ってほしかった。
2013/10/26
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