遠野物語拾遺retold
遠野物語拾遺retold / 感想・レビュー
文庫フリーク@灯れ松明の火
手持ちの『遠野物語』では<天狗><地名の由来>など細かく「題目」に分かれ、該当する話の番号が下に記載される。京極さんは「望月」「十六夜」など表紙の月に関連するような題目(章)を13立て、例えば「有明月」では狐・狸・猫・蛇の話を収めている。一番の好みは<年中行事>集めた「十三夜」小正月の行事、カセギドリを一例として記します。家々から一人ずつ若者を出し、集落ごとに2~30人の組を作り、肩に藁で作ったケンダイというものをまき、頭に白笠の出で立ちで他村の裕福な家に討ち入り、餅をもらう。まず他村の豪家の軒下で→
2014/07/14
KAZOO
柳田國男が遠野物語を書いた後に、集まったものを拾遺ということで出したものを京極さんがわかりやすく面白く書き直されたものです。一つ一つの話は短いのですが、京極さんの手にかかると結構雰囲気が出てきます。さらっと読めて楽しめました。
2015/06/03
ケイ
一つ一つはとてもいいお話で、味わって読みたい。でもたくさんあるから、ザーッと読んでしまうのがもったいなかった。挿絵とか写真とか所々にあればなと思う。地名に大槌町とか出てくると、あの辺りかと思い当たるのも少し寂しい気がした。気が向いたときに、少しずつ読むのがいいと思う。
2014/08/11
tama
図書館本 「遠野物語」のときと同じで、これが出なかったら読まなかった書物。他所から来た人から聞いた話を自分のところで昔からあったように話している気もする。柳田国男の時代ではまだそこまで解析する手法もなかったんでしょうね。お話としては「せっかく楽しく子供らと遊んでおったのに!」と怒って祟る神様が可愛かった。タヌキは一か所しか出てこなかったがやっぱりキツネよりどんくさい。見返しの地図、ローマ字表記は読みにくい。本文に出てくる地名を結構探したくなるのでもうちょい「探しやすく」してほしいな。
2014/07/18
藤月はな(灯れ松明の火)
『遠野物語』が「明治以前の遠野での出来事や事象」を集めたものならば、『拾遺』は「明治という現在も含めた遠野での出来事」である。そして京極氏の筆から再構築されるは、現在と過去が溶け込んでいるような遠野独特の世界観である。月の満ち欠けに因んだ章立てによって分類された「オシラ様」や「小正月」、「河童」、「三峰様=狼」などの説話や語りは、うっそりと立ち上り、息づいている。語り直されることで再認識され、独自に再構築されることがあるのが、このシリーズなのだろう。
2014/10/09
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