はるかな本、遠い絵 (角川選書 335)
はるかな本、遠い絵 (角川選書 335) / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
寡黙で質朴な藤沢周平の文体、風変わりでユニークな幸田文の言葉、無垢でたくましい林芙美子の人生、「風船画伯」と渾名された谷中安規の丸い絵。創作の現場を覗いては、文豪たちの素顔に触れ、消え去った作家や画家たちの影を垣間見る。近くて遠い時間のなかを、読み、歩き、愛で、味わう。あるべき過去の遠景が詰まったエッセイの贈り物。
2003/08/21
yokmin
・オスカーワイルドと『横しぐれ』 ・藤沢周平の「人生の秋」 ・「頭がケイマトビ」の人 幸田文ー青木玉 ・ 野口冨士男展を見る ・古本屋主人、映画書を語る ・水の町ー藤沢周平の本所深川
2012/08/10
こっこ
★★★☆☆ 角川書店のPR誌『本と旅人』に掲載されたエッセイに、折に触れて書かれた文章を追加した小品集。3頁前後の読み物なので読みやすい。内容も映画、小説、絵画、旅歩きなど多岐にわたっているが、その分多少散漫な印象も受ける。川本氏、80年代は「センチメンタリスト」だったが、90年代辺りから「歩くノスタルジスト」へと変貌。本書はちょうどその転換期に当たるのだろうか。でも「趣味人(いい意味での)」の本質は変わらない。
2019/03/01
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