信仰と医学 聖地ルルドをめぐる省察 (角川選書 609)
信仰と医学 聖地ルルドをめぐる省察 (角川選書 609) / 感想・レビュー
ネギっ子gen
精神科医の著者が、カトリックにおける一大聖地となっているルルドを訪れた。田舎で惨めな少女時代を送る14歳の少女・ベルナデットの前に聖マリアが出現して以来、160年――。過去の治癒事例から徹底検証し、信仰と医学について論じた一書。あの『聖灰の暗号』を書いた著者が、科学では説明がつかない不思議な現象をどう受け止めたか――。<ルルドは、医学が人と人の関係、接触、傾聴の上に成り立っていることを再認識させてくれる。余りにも機器や器具に頼り過ぎている今日の医学は、医学を患者から遠ざけ、両者の間に溝を作っている>と。⇒
2021/03/16
Book Lover Mr.Garakuta
難しいので、良く判らなかったが、医学関係者なら追って読むべしと思う。
2019/07/07
GX
理屈はどうあれ、長い間苦しんできた病から解放された喜びは、とても大きかったことだと思います。先日、TVで遺伝子に関する最新の研究成果を解説していました。そのなかで遺伝子のON/OFFという話が出ていました。ここで紹介されている症例も、そうした機序が働いているのかも。VRやARを使った治療なんていうのも、これから出てくるかもしてないですね。ただ、標準治療を飛び越えて、いきなり、それとは違う方向に行くと、助かるひとも助からなくなってしますよね。いくら、本人の希望だとしても、それは悲しい・・・
2019/05/26
AR読書記録
ルルドといえば昔「世界のミステリー」的な本で読んだりしたなと思うけれど、出現の具体的な様子(当時の記録に拠った)などは初めて読んだ気がする。そしてやはり、そういうお年頃の少女一人にしか見えていなかったことなどから、どうしても幻覚・幻視方面を疑ってしまうし、治癒例が女性の方が多いことからも、プラセボ効果を考えてしまう。しかし、ルルドでの科学的に検証する姿勢が真摯で信頼したいものであるであるのは確かだし、また、人間の信仰の力、精神と肉体(病気)との関連など、治癒事例から科学的に引き出せるものも多そうに思う。
2018/12/25
まちこ
引用の範囲が不明確な点が多少読みにくいが平易な文章。感情を抑えて進行し、最後に爆発する。「ルルドとは一体何だろう」それこそが書きたかったのではないか。そしてその強調は私の読後感とも一致する。「まさしくルルドによって、人間の精神は、社会的な結びつきと共感、病気を含めたあらゆる苦悩の軽減を、骨の髄まで味わい、健康を取り戻すと言える。そのとき、これがプラセボ効果なのか奇跡なのかという問いは、全くの愚問と化す」後にノーベル賞を受賞するカレルによる奇跡の目撃談には鳥肌が立った。
2019/02/12
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