俳句脳 ――発想、ひらめき、美意識 (角川oneテーマ21 A 85)
俳句脳 ――発想、ひらめき、美意識 (角川oneテーマ21 A 85) / 感想・レビュー
Nobu A
前半は脳科学者、茂木健一郎との対談。後半は俳人、黛まどかが俳句の魅力をたっぷりと解説。タイトルの「俳句脳」より今、ここで一瞬感じる「クオリア」の方が興味深い。時代により変わりゆく季語。上位語と下位語で構成された豊富な語彙・表現を表層・中層・深層水の海と喩え、俳句は日常に存在するものを再発見すること。そして、神髄は余白。書にも通ずる。溢れる情報に埋もれそうな現代、17音に込める想い。俳句の魅力が伝わってくる。今まであまり興味がなかったが、情趣ある俳句が詠めるようになりたいな。語彙を増やし、感性を磨かないと。
2018/03/17
anco
俳句について。俳句でするのは大発見ではなく再発見。見ていたはずなのに、見逃してしまっていたもの、再発見を言葉に結実させる。俳句は直感。直感とは、感覚でなく体験。体験の積み重ねから直感はやってくる。紆余曲折とは、より多くの選択肢を持って握力強く生きることではない。俳句の目で旅をすることで、同じ一筋の道に紆余曲折が生まれる。いい句かどうかを見分ける条件、誰にも景が鮮明に浮かぶこと、句意が動かないこと、季語がほかの季語に変えられないこと。意味は動かないけれどもイメージが広がるような句をいい句という。
2016/02/29
袖崎いたる
俳句は祈りで、短歌は懺悔。黛まどかはそう言った。うむ。おれが俳句をうまくできずにいるのはそういうことなのかもしれぬ。自意識の問題なのかもしれぬ。小説もそうだ。祈りのライティングをできるようなりたいものよ。
2022/11/21
Nori
茂木さんは頭がいいというのはテレビでわかっていたが、黛まどかさんはとても賢い方。それは、俳句というひとつの世界を味わい、旅し、究めておられるからだと思う。この本で、明治の俳人・杉田久女のことを初めて知った。女性が不遇の時代、彼女は苦しみや悲しみを詠まず、そのことで余情が生まれ、俳句は作者の思いを昇華させているという、黛さんの解説に唸った。俳句という、制限があるからこそ、深まり広がっていく世界。今度は、黛さんの歌集を読んでみたい。
2013/06/03
noritsugu
齋藤孝は「~力」。茂木 健一郎は「~脳」。担当者はタイトル考えるの楽で良いなあ~?(←そんなので良いのか???)
2009/08/07
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