テロリズムの罠 右巻 忍び寄るファシズムの魅力 (角川oneテーマ21 A 96)
テロリズムの罠 右巻 忍び寄るファシズムの魅力 (角川oneテーマ21 A 96) / 感想・レビュー
とくけんちょ
なかなか難解な内容。ファシズムと不安。そういう見方があるんだなと新しい視点を学べた。当時の時代背景をテーマに書かれている部分も多く、時代の流れは感じた。
2020/08/28
Isamash
佐藤優氏の2009年発行著作。ロシアが2000名の死者を出しグルジアの国家主権を踏みにじりグルジア領の南オセチアとアブハジアを独立させロシア軍を駐留させることになった2008年のロシア・グルジア戦争をひきあいに、国際社会の現状を新帝国主義であると説く。日本においても若人の貧困が存在し、テロ、更には自衛隊のクーデターが戦前の様に起こりかねない状況が存在すると危惧する。戦慄を覚えた。そしてテロやクーデターに対抗のため究極的暴力ファシズムを産むと解説。
2022/03/23
SOHSA
《購入本》左巻に続き読了。ファシズムは、第二次世界対戦の終結とともに過去の遺物となっていたように考えていたが、それが大きな誤りであることがわかった。左巻で説かれた新自由主義の対辺としてファシズムの甘い罠は足元に転がっているのかもしれないのだ。新自由主義にもファシズムにも落ち込まずにどのような選択を我々はすべきか。そしてその二つの罠は、声高に自らの正体を名乗らないだけに相当の用心が必要だ。佐藤優の著作は私たちに足元に隠れている罠を巧みに暴き晒してくれる。
2015/12/19
AICHAN
図書館本。左巻に続きこの右巻も読みにくかった。やはり引用が多く、また客体、体系知、兌換、受肉、弁証法、担保、アトム、レジームなど難解な言葉と表現が随所に見られる。テロが増大すれば国家権力が肥大し、また新資本主義が崩壊するとファシズムが擡頭するということなのだが、それをややこしく書く必要はない。「左巻」「右巻」というのからしてわかりにくい。右大臣より左大臣のほうが偉いから左巻のほうが先かと思ったら、どっちから読んでもいいらしい。だから上・下巻とか1・2巻にしなかったのだろうが、左右巻なんて聞いたことないぞ。
2016/07/21
おおにし
佐藤優さんの新書にしては用語が難解で分かりにくい。資本主義の根源的問題は「簒奪の思想」だと述べているが、簒奪は「ぶったくる」という意味らしい。要は他人の労働力をぶったくって利潤を得るという資本主義の思想が恐慌や戦争へ社会が傾く原因を作っている。「簒奪の思想」を超克するためには贈与と相互扶助が経済の基礎に据えられた社会を形成することだと、そう理解した。テロについて「(日本の)現下の政治的、経済社会的閉塞状況は、テロを生み出してもおかしくない。」と佐藤さんは予想しているが、これは当たらないでほしいものだ。
2022/08/31
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