しつこさの精神病理 江戸の仇をアラスカで討つ人 (角川oneテーマ21 C 181)
しつこさの精神病理 江戸の仇をアラスカで討つ人 (角川oneテーマ21 C 181)
- 作家
- 出版社
- 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日
- 2010-02-10
- ISBN
- 9784047102217
しつこさの精神病理 江戸の仇をアラスカで討つ人 (角川oneテーマ21 C 181) / 感想・レビュー
mejiro
サブタイトル「江戸の仇をアラスカで討つ人」を見て思わず手にした。歯に衣着せぬ言葉は手厳しい感じがするが、綺麗事をいわないところが痛快でもある。文学に造詣が深い方らしく、小説を例にとった分析も興味深い。恨みの対処法に苦笑の効用を説いている。心の余裕は大事だと思った。恨みの程度によっては、苦笑できる心境に至るまでが大変な気がする。
2017/04/10
Bartleby
子どもには苦笑いができないという話は印象的でした。本当かどうかわからないけど、たしかに苦笑いできるようになるのはちょっと大人になることかもしれない。あと、恨みのステレオタイプ化の話は、内田さんの呪いの考えに近いように感じました。
2012/07/03
mint
執着、執念、しつこさ。日常の些末な一端から、生活次元を逸脱した段階まで。「おかしな状態」は何も我々の日々と無関係などではなく接線上にある。春日先生の眼差しは、一定の距離感を持った観察者として、時にめくり取られる羞恥を呼び覚まされる気分になりながら、でもじんわりとやさしい。奇妙さをそのまま、置いておく優しさ。 しつこさが呪術的な要素を含み、供養にも近いものだという考察など、後半はより興味深い。
2022/01/25
メイロング
サブタイトル勝ちだよねー。臨床で出会ったケースより、文学面から怨恨システムに迫る。どうも心のお医者さんには、文学に明るい人が多いような気がする。前に読んだ「怒らないこと」という新書が、怒りや怨恨への宗教からのアプローチだったが、どちらも似たような結論に至っているところが面白い。
2010/05/12
春風
ディック、ハイスミス、黒井千次、菊池寛などの作品を肴に、専門用語は使わず復讐の心理を語る。語り口とシニカルな人間観で読ませるうえ、ブックガイドとしても面白い。
2010/03/17
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