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善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学 (角川新書)

善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学 (角川新書)

善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学 (角川新書)

作家
中島義道
出版社
KADOKAWA
発売日
2010-08-08
ISBN
9784047102491
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善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学 (角川新書) / 感想・レビュー

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harass

図書館で偶然見つけ借りる。ニーチェ一般向け解説の新書。ニーチェやオルテガを引用し、現代日本の大衆、「善人」を批判していく。著者ののアクを多分に感じ、ネットの匿名文化などのことも触れている。辟易するところが多いが鋭さを感じるところもある。後半以降は、ニーチェの生涯が紹介されている。俗世間に適応できなかった不幸な生涯のことだ。著者が指摘するのは、ニーチェの極端な中二病的強弁は、自身にない理想のもの、自身は善人そのものであることを自覚していたのだろうと。ああなんと哀しく誠実な、ニーチェ……

2017/02/25

ちさと

生の在り方を肯定する視点を持っているようにも見えるし、傲慢の極致とも言えそうなニーチェ。中島先生はニーチェを「自分の中の弱さに対抗し、同時に異様なほど怯え、恐れた」と描写する。善人はいかにして卑屈の結晶体かをニーチェの言葉を引用しながら語り、終盤はニーチェの思想と生き方を考察していました。基本的にニーチェはお嫌いなようですが、不器用なところ似てますよね。哲学は主張ではないと思うので、本書は哲学書ではない。ただ片眼をつむって生きていることを、思い知らされる。

2019/04/19

shinano

辞書にある善人ではない。この本(もしくわニーチェ著作の中)の善人は、弱者ということなのだ。弱者であるがゆえ、共同体内(世間)での孤立や非難回避のための欺瞞、強者への徹底的依存、自分たちを保護する義務と保護される権利の要求行動、その正当化が人間界に蔓延して、弱者たち(大衆・愚民)が知らず識らずに普遍化し固定化している自分たちのためにある道徳観と誤解し、精神的に強くなろうとせずに自分たちの利と安楽(損をせず苦しまないよう)を第一義に生きていることを、ニーチェ作詞作曲、中島義道編曲でうたいあげた揶揄な曲的一冊。

2011/06/03

kubottar

小さな親切大きなお世話。その言葉を思い出した。良かれと思ってやったことも相手を堕落させてしまうことに繋がる例は枚挙にいとまがない。では悪人がいいのか?いやもちろんそうは言ってない。しかし、善人であろうとすること自体、何か歪んでいくのかもしれない。この本は、善人に対する考え方を違った角度で教えてくれる本だ。まあ、善と悪、たった2つに分かれるだけの単純な世界ではない。むしろその2つだけしか考えられない硬い頭を変えてくれる本だと思う。

2019/07/27

ふらん

「正直者が損をすると嘆く者がいるが、それが嫌なら正直者を止めるしかない。何の努力もせず、世の中を嘆いてみたところで、何の意味もない。ただ頭の悪さと卑劣さを晒すだけである」…中島先生節炸裂。抉ってくるなあ。

2015/05/29

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