丸尾末広画集 乱歩幻想(仮) (ビームコミックス)
丸尾末広画集 乱歩幻想(仮) (ビームコミックス) / 感想・レビュー
HANA
署名本入手。乱歩や昭和初期を題材にした画集。巻末に「踊る一寸法師」の漫画付き。絵の題材といいコラージュといい、見ていると乱歩作品の持つ暗いそれでいて居心地のいいあの雰囲気が甦ってくるようだった。やっぱ大正、昭和初期の独特の雰囲気っていいよね。ただ「踊る一寸法師」の方は殺害場面をそのまま描いたことであの謎めいた余韻が無くなっているような気も。サーカス団員の踊るシーンや、あの影絵のラストシーンは壮絶な美しさがあるけど。
2012/12/15
藤月はな(灯れ松明の火)
江戸川乱歩いなずば、丸尾末広いなけり。画集を捲れば現れる豪華な印字、乱歩世界を壊さずに如実に表現した原画、コラージュ配置の素晴らしさ、細部まで狂乱の美意識を凝らした設定、グロテスク且つ淫靡で共犯者がいたような安堵感に包まれるような絵。そして残酷な仕打ちに慄きつつも会心の笑みが止まらない「踊る一寸法師」の猥雑さと残酷美。全てにおいてハイクオリティ。
2011/12/17
ぐうぐう
言葉によって生み出されたイメージが、絵によって具現化される、その恍惚が丸尾末広の『パノラマ島綺譚』と『芋虫』にはあった。そして今回の画集。乱歩の言葉が一旦霧散し、しかしそれが丸尾の筆の、色の、タッチのひとつひとつを構成する微粒子となっているのかのような、圧倒的で完璧な画の数々に打ちのめされる。もはや、丸尾の絵なしに、乱歩ワールドは成立しないかのようなインパクトだ。目眩く幻想と怪奇の世界に言葉どころか、声すら出ない。
2010/04/04
ゆーちゃん
圧倒・圧倒・圧倒の連続。昭和チックな画が不気味さを際立たせています。ライチの兎丸さんといい丸尾さんといいちょっと他の作品も読んでみたいと感じました。
2012/10/29
コウ
近所の書店で乱歩さん特集してる。この画集すごい。気持ち悪い。…乱歩さんの作品を“官能小説”って言った人の気持ちが分かった気がする。
2017/07/16
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