久生十蘭漫画集 予言・姦 (ビームコミックス)
久生十蘭漫画集 予言・姦 (ビームコミックス) / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
久生十蘭の事は十代から気にはなっていた。橋本治が『橋本治になるために読んだ100冊の本』みたいなリストに挙げていたりして、私の様な田舎住まいの少年にはなかなか著作が入手できない幻の作家だった(当時は夢野久作だって貴重だった)。今や青空文庫が出来て、これらの作家の神秘のベールを剥いでくれているのは有り難い。久生十蘭も著作権が切れて、こんな漫画化も登場。描いているのが松尾スズキとのコンビでも知られる河井克夫というのもユニークである。2編の漫画化だが、どちらも楽しく読了。久生十蘭の世界の一端を初めて知れた。
2018/03/10
garth
シ、シルクスクリーン! 「姦」が素晴らしすぎて、腹を抱えて笑った。
2016/11/10
えも
超絶技巧の久生十蘭がマンガになっているとは! 絵が古めかしくて、十蘭の作風に合ってますね。
2016/11/06
タマキマタ
原作の雰囲気が河井克夫の作風にすごく合っているなー。収録が二編だけなので、短編をたくさん読めたら良かったなぁ。
2016/10/29
きざはし
絵は正直うまくなく、初見では原作のイメージとも合っていない気がした。それでも漫画特有の効果があった。それは、漫画は時間あたりの情報量が多く、読むスピードが倍増することによる。「予言」は一炊の夢的な眩惑が、「姦」は畳み掛ける展開が読みどころ。どちらも漫画のスピード感が加わることによってその味が倍増している。そのように考えると、描き込みの少ない河井克夫の絵が、実は合っているのかもしれない。
2017/10/11
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