黒き川 (ビームコミックス)
黒き川 (ビームコミックス) / 感想・レビュー
猫丸
順番がわからなくなってきたが、21世紀しりあがり作品は相互に参照を要求する面倒な構造になったらしい。一貫する流れは「何が善で何が悪かを考える」こと。食物資源の浪費やら引きこもりやら、時事的イシューを放り込むことで現代感を維持しつつ、宗教の根源を疑う試みか。本作は純粋なる子供幻想を押し通すことで困難が打倒されるかに見える物語。これは確実に裏切られるパターンである。
2020/11/08
ビッケ
黒き川を渡ると行ったきり行方知れずの父親を探して、自らも黒き川を渡る少年の話(多分)。しりあがり寿さんといえばヒゲのOLとか薬中の弥次喜多とか、どの層を狙ったピンポイントなのそれはって感じが面白くて話題にされがちだけど、こういうのも好きだ。めちゃくちゃな話なのに読み終わったあと何某かが心に残るのが凄い。はみちんには思うところがある。
2016/11/09
かながわ
四コマしかしらず…これが寿さんの本気か!ハチャメチャで意味深で読みやすくて何より面白い。二重人格並みに画を使い分けるのすごいわぁ。
2021/05/03
ニッポニア
ぐるぐるとマグマは沸き踊っていて、今にも噴き出しそうに様子をうかがっている。作者はそのふちで一輪車に乗り鼻歌を歌っている。まったくひやひやする。
2015/12/06
杉浦印字
おそらくはダンテめいた地獄行の物語で、生命力と清廉な魂をもつ少年が悪魔の欺瞞(?)を破壊し進んでいくのは迫力でも理屈でも満足。思いもよらない物語の接続と、それが激化するラストには否が応でも全編読みたくなる。
2015/04/04
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