庶民は知らないデフレの真実 角川SSC新書 (SSC新書)
庶民は知らないデフレの真実 角川SSC新書 (SSC新書) / 感想・レビュー
Risuke Koshiba
2012年の本。今やデフレの時代が懐かしいが、デフレがいかに金持ちに有利なのかが書かれている。インフレは金持ちにとって預貯金が目減りするため不都合で、庶民は給料が上がるので大歓迎と書かれている。この本は金持ちの立場で書かれていて読んで腹が立ったが、真の狙いはおわりに書かれていて、金持ちが有利になるよう作られている世の中の仕組みに読者に怒ってもらい、社会を変える力にしてもらうこととのこと。また、おわりで国民の救世主依存症を憂いているが、おそらく現在も変わってないし、これからも変わらない気がする。
2024/11/19
もも
本書は2012年刊行であるが2017年の現在読んでも色褪せない箇所もある。日本は未だデフレであるしデフレの恩恵を受けているのは庶民ではなく金持ちであることを知れた。著者が言うような震災恐慌は今の所訪れていないがそれでもこの本を読んでやれることはある。最初は森永卓郎ってなんて嫌な奴なんだろう!と思ってそれでも自分の知識の無さに我慢し読み進めていたが最後にはほんの少しの希望がある。彼の発言を聞いてみたくて彼の出演するラジオをPodcastで購読してしまうくらいには彼のファンになった。
2017/03/06
としくん
【P.23】法人税を納める方が、所得税の最高税率を払うより安い➡︎富裕層は、所得を会社にプールして使う 【P.25】社会保障財源を保険料から消費税に切り替えただけで、会社の負担がなくなると共に、逆進性が働き、富裕層が得をする 【P.44】TPP交渉の中で、郵便貯金と簡易保険の完全民営化を米国は要求してくる➡︎300兆円もの資金を米国債へ流したい 【P.57】デフレを続けさせている主犯は、金持ちと既得権益者。資産の価値は上がる。庶民は転職できなかったりリストラされたりするが、終身雇用の公務員はその心配は無い
2016/08/16
横丁の隠居
東日本大震災から約一年、2012年3月の本だ。森永さんは金持ちの立場からは、デフレを続けて消費税を上げるのが最善で、このままなら2014年には震災恐慌が来る(株価等の大暴落)からそこで底値買いをすべきだと主張する。実際は同年12月に安倍政権が成立、金融大緩和が始まってインフレになるはずだったのだが、円安で輸出企業は潤ったが周知の通りインフレにはならなかった。森永さんが間違っていたのではなく、安倍政権は金を市場に供給するようなフリをしながら、やっぱり富裕層に有利なデフレを進める高度な技を使っているのだ。
2018/07/23
Naota_t
分かりやすい内容で「なぜデフレは庶民に不利なのか」という観点から読んでいけば、今の経済状況を見直せる良いきっかけになせるかもしれない。 ───我々にとって一番恐ろしいことは、庶民が「デフレの仕掛け」に気づくことだ。選挙の大半の票を持つ庶民が「徹底的な金融緩和を行ってデフレから脱却しろ」と言い出したら、もうどうにも止められない。だから、庶民には二つのことを言い続けなければならない。一つは「インフレは恐ろしい」ということと、「金融緩和なんてしてもデフレ脱却には効果がない」ということだ。(p.80)
2014/07/07
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