路地裏の資本主義 (角川SSC新書)
路地裏の資本主義 (角川SSC新書) / 感想・レビュー
KAKAPO
>『路地裏の資本主義』は、わたしたちが今生きている、資本主義生産様式の世界を、肌身に感じるやり方で理解したいという思いから名付けられたもの……成熟した資本主義国家の常として、市場が飽和し、人口が減少し、自然過程としての経済成長が望めなくなった今……経済が停滞してから生まれてきた若い人たちの中から、生き延びるための共生へと向かう人たちが現れてきています。シェアハウスという共有空間で暮らす、NPOを働き場所として選ぶ、あるいは地方で生きるという選択も志向され始めています。足下に定常経済は見出せるはずです……。
2020/05/07
壱萬参仟縁
資本主義とは、貨幣の万能性に対する信仰の上に成立する社会経済システム(38頁)。その通貨が信じられなくなれば、 暴落するし、他の通貨に換える。円という通貨が未来永劫とは思えない。東アジア共通通貨すらないのだから、これから 先不安だと思う。今後の不安は、テロの標的や戦争に巻き込まれるとかありそうだが、既得権益を手放せない、行革の 言葉がどこかに行ってしまったので、益々、格差も広がると思う。贅沢な人がいて4割が将来不安、死ぬまで働かなけれ ばならない社会は早晩滅びるのではないか?
2015/03/26
とよぽん
地に足の着いた生活者として、平川さんが考えていることを率直に綴った文章だと思う。何か、もの悲しくもあり、懐かしさも感じる、雰囲気のある文章だ。資本主義はもう行きつくところに来た。平川さんが感じている「違和感」、分かるような気がする。英国の経済学者が予言した経済の「定常状態」は、日本には訪れなかった。では、これからどうするか?
2018/04/07
onasu
資本主義とは何なのか、と平川さんが思うままに喋っていく。 産業革命時に、設備投資の資金を募る目的で発祥した、経済成長が前提の仕組みで、それは主役たる株式会社への投資が、後日の利益を期待してなされることからも明らかだ。 従って、日本を含めた先進国では、成長が見込み辛くなっているのに、その旗振りは止まない。新たな市場を得ても、何れは成熟するという果てが見えているのに。 格差が拡大する一方のグローバリズムやマネー偏重ではなく、その地で生きていく。そのためには、先人の知恵を見直すのも有効。一手ではある。
2015/01/29
めっし
地に足の着いた経済学。何でも経済成長、経済効果の風潮に辟易している身としては、まともなことをまともな調子で語っていて安心する。しかし理論としては弱い。回顧主義と批判されそうだ。その一歩先のビジョンの必要を感じた。
2015/12/27
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