A子さんの恋人 7巻 (ハルタコミックス)
A子さんの恋人 7巻 (ハルタコミックス) / 感想・レビュー
buchipanda3
まずは前巻を読んで話の雰囲気を取り戻してから読み始めた。とうとう最終巻。まるで鏡のように同じ過去を振り返るA子とA太郎。そんなエピソードがあったんだ。そしてA君と同じように相手を縛っているものから解放したいという二人。デビュー作の再稿は幻想的で切ないけれど開かれた感じがした。そしてあれを見た場面、思わず声が。そこに込められた気持ちが素直に伝わってきて感極まってしまった。あと最後の方でゆうこちゃん、いいこと言うなあと。彼女がこの漫画で一番のお気に入り。そして英子の迷いのない姿を見ながら本を閉じた。良かった。
2020/10/15
Vakira
5巻目からA子さんの処女作漫画を持出したお陰で何やら純文学調となる。その処女作の解を見つけたく6巻を読み、そしてこれ最終巻、A子さんの拘りの処女作書き直しの行方。あの少年はA太郎。読者にはA子とA太郎の話に読める。そして書き直し完了。発問漫画は終わりを告げる。好きな人を想う。束縛はしない。自由でいる君が好きだ。処女作の書き直しで盛り上げといてこの展開。A子さんは英子さんになる。ではA太郎君は・・・?
2020/10/20
くろにゃんこ
終わった・・・決着がついた・・・。読み終えた直後は「ふ~ん」でしたが(笑)、最後の方を改めて読むととても深い。チャラいイメージだったA太郎がものすごく繊細ないい人。周りのフォローも含めてまとまったラストでした。改めて1巻から再読してみよう。もっとU子ちゃんに出てほしかったな。そうそうA子のことはやっぱり好きにならず★
2022/04/13
one_shot
前巻から少し間が空いてしまったのには訳がある。軽妙だった人間関係が、5巻あたりから非常に重くなってしまい、ちょっと敬遠していたのだ。彼らの関係性の捩れが主人公の漫画家A子さんのデビュー作のラストの捩れへと収斂していくので、それはもう私のような怠惰な読者には共感できないのだった。しかし登場人物の人生の陰影に忠実であるならこうであるべき、という作家の姿勢は正しいし、こうした作品ももっと世にあるべきだとも思った。思えば青林堂のガロは、そうした作家性の安全ネットとしての役割もあったと思うがどうだったろうか。
2023/10/02
bb
再読、やはり良かった。コメディタッチの群像劇で始まった物語が予想外の大団円をむかえる最終巻、線と構成のすばらしさをそれぞれ再認識。構成に関してはとにかく話がうまくて、このラストに至る話の流れはどの時点からの構想・計算なのか不思議に思う。物語世界の結末と作品表現上の主役は違っているようで、「彼」が渡そうと思ったアレはどの時点で渡すのを断念したのか、何のためにあそこに戻ったのか、など心情を想像してしまう(語りたい気持ちがわかる)。再読のたびに発見があり、今度は名前の記号性(A子)の描写に注目して読み直したい。
2024/10/04
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