ヴァンパイヤー戦争 6 (カドカワノベルズ 16-6)
ヴァンパイヤー戦争 6 (カドカワノベルズ 16-6) / 感想・レビュー
プリザエース
あっという間に読み終わった。5巻までで散々修羅場をくぐった主人公が依頼されたミッションに区切りをつけ、一旦リセットしたところから6巻は始まった。緩急が無いと難関のインフレになるので、これは著者の技術だと思う。政治的勢力争いに無関心な主人公に残る動機は、もう己の出自と忘れられない女の二つしかない。「部屋にマーラーのレコードだけがある質素な相棒」は矢吹駆シリーズではサスペンス世界にいたのに、今作ではモンスターが跋扈する世界で主人公を助けているのだが、そのギャップを楽しめるのは両シリーズを読んだ者の特権だろう。
2019/06/26
洪七公
既読本
1987/07/30
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