悪魔の選択 下 (海外ベストセラー・シリーズ)
悪魔の選択 下 (海外ベストセラー・シリーズ) / 感想・レビュー
橋川桂
9ヶ月に渡り、世界の半分にまたがって、様々な思惑が錯綜していた上巻から、北海海上でハイジャックされた巨大タンカーをめぐる3日間の攻防へ収斂していく下巻。点と線が一気に繋がっていく急展開のカタルシス。ソ連の表沙汰に出来ない苦しい事情を英米側は把握していなかったり、同じ西側でも英米は知っていることをオランダや西ドイツ(懐)政府は伝えられていなかったり、読者には全部分かっていることも、それぞれの立場で見えていたり見えてなかったりが、サスペンスを呼ぶ。
2018/05/14
ペンポン
やはりフォーサイス。面白かった。米国とソ連の問題なのに英国が出てきて、上手く捌いていく。最後はハッピーエンドかと思いきや、ソ連の書記長の掌の上でプレーさせられていたことを英国諜報員は知らされる。巨大タンカーから上手く脱出したテロリストグループも自ら蒔いた種によって哀れな結末を迎える。下巻では舞台は巨大タンカーに移り、上巻での伏線が生きてくる。イスラエルの出番がやや弱目なのが気になった。
2023/02/17
わたろう
米ソ緊張の中で民族の誇りを賭けた企みに感動しました。フォーサイスは3冊目でした。これまで読んだ「ジャッカルの日」「オデッサ・ファイル」よりも臨場感があって楽しめましたし勉強にもなりました。結末も至極納得できるものでしたし最後のどんでん返しにヒューマンドラマを感じました。何となくそんな予感が少しありましたけど。この本でさらにフォーサイスが好きになりました。
2017/03/16
a.k.a.Jay-V
悪魔の選択 下巻 ふと聖地巡りをしたくなるが、ウクライナもロシアも、聖地巡りと言うには呑気すぎるし、播磨重工業の知多工場も閉鎖しており、遅すぎる。しかし、ここで描かれた物語は今日の惨状にも似て早過ぎた。
2022/08/10
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