シティ・オヴ・グラス
シティ・オヴ・グラス / 感想・レビュー
k5
「柴田元幸の翻訳は好きじゃないから、いつか英語で読む」といい続けて四半世紀。ついにオースターが亡くなってしまった。罪滅ぼしに柴田訳じゃないやつで再読しました。うーん。面白いんだけどアイデンティティの物語なのだよな。やはり30くらいまでに読んでおくべきだったかも知れません。
2024/05/13
Ryuko
【第3回ガーディアン必読1000冊チャレンジ】推理小説家のクィンが、間違い電話から、ある男の見張りを引き受ける。毎日散歩する男を見張ってニューヨークの街を歩き続けるクィン。シティ・オブ・グラス、ガラスの街か。大都会に生きる人間の孤独、存在の不確かさが描かれていると思う。
2015/07/28
マッピー
オースターのデビュー作は、日本ではミステリ扱いだったようです。 探偵が謎を追う話だから? 探偵はいません。 いるのは依頼人と、探偵に間違われた作家と、探偵に間違われた作家に間違われた作家だけ。 謎はあるけど、解決はありません。 「もしもし?ポール・オースターさんをお願いします。」 クィンはオースターになりすまし、毎日父親を尾行し、行動の意味を探る。 では、なぜこのような間違い電話がかかってきたのか? 言語の研究を極めた父親の、行為の意味は? ピーター・スティルマンおよび彼の妻は、信頼できる依頼人なのか?
2015/03/16
Ryosuke Tanaka
また言葉をめぐる神学SFミステリ未遂。作中で解説されるドン・キホーテの語りの構造を模倣するメタ・フィクショナルな構成を取りつつも「身も蓋もない」状態には陥らず、緊張度の高いミステリ的な展開がテクい(こんなテクい本書く人と思っていなかった)。素敵な散歩小説でもあるとおもった。余談だがエッセイ集のThe Red Notebookはこれを意識していたのか。
2016/01/05
つかさちゃん
「言い代えれば、人々は楽しみを与えられれば、どこまで冒涜に堪えられるか? 答えははっきりしているでしょう? 無限にです。その証拠に、われわれは相変わらずその本を読んでいる。それは依然としてわれわれを楽しませてくれる。つまり、そこには誰もが本に望んでいるものが――娯楽があるからです」
2009/08/24
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