ポルトベーロの魔女
ポルトベーロの魔女 / 感想・レビュー
ゆき
パウロ・コエーリョ「ポルトベーロの魔女」読了。アルケミストやベロニカ~、星の巡礼など立て続けに読んでいたのは十年近く前なのか?久し振りに手に取ったのは単なる偶然か平尾香の装丁が良かったからか。神秘主義的な物語だけれど構成力で読ませてくれる。ただこのインタビュー形式は好きじゃない。
2011/07/12
バーベナ
魔女ものの「ブリーダ」が不思議と心地いい話だったのでこちらも。「自分は何者なのか」探し続ける主人公:アテナをめぐって、残された人々が次々に証言していく。しかし「力」のある人間とは、なんとエネルギーをもてあましているものなのか。それについていけないから、凡人はなおさらアテナを我侭とみてしまう。私もまたそのひとり。もっと、理解したいけれど、言葉での説明には限度がある・・・。
2011/04/06
芙由
例によって宗教小説のような思想小説のようなコエーリョの現代のおとぎ話。今回は語り手が入れ替わるインタビュー形式でまた恋愛小説でもないので、『ブリーダ』や『ベロニカ』に比べると幻想的な感じが薄れて、現実的な話だった。宗教における女性のあり方というか、母性的宗教への現代的な見解が示されていたように思う。キリスト教だけでなく、他宗教へのまなざしも真摯な印象。それからいつものごとく「自分探し」のテーマ。構成に凝った話でもあり、個人的には再読必須。
2014/10/19
朝野まど
もう一度、という生命の声にしたがって、一週間の間をおいて再読しました。自分が自分のままでいることには、勇気と犠牲が伴う。アテナの”自分”は、全てをそのままに愛する”自分”だけれども、その愛の強さがゆえに”自分”は時には触れたものの皮膚をすりへらすやすりへと変わってしまう。アテナが神格化し、周りの世界から一歩だけ深い位置にいられたのは事実だけれども、皆が皆そうなれるわけではない。その一歩が、断崖、差別、暴力、殺人にまで変わっていってしまう。一歩だけ深い位置にいる人は、どうやってその力をふるえばいいの?
2013/01/25
Aya Mizukami
宗教性が強い物語である。 特定の叙述法により物語が進行していく。 すなわち、主人公であるアテネが、周囲の主要な人からどう見られていたかを示すことにより、主人公の全体像やその人生を浮かび上がらせようというものである。 読み終わった後、いまひとつ完全に理解しきれない違和感を感じ、もう一度最初のページに戻り読み直してしまった。 ・・・『なにごとにも一つの見解はない』これは本書のテーマの一つ。 アテナという人物を作るのは、それらを総合的に併せ読むことのできる読者ということなのだ。
2012/05/13
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