アメリカン・ゴッズ 下
アメリカン・ゴッズ 下 / 感想・レビュー
NAO
移民の国アメリカ。生まれた土地から遠く切り離され本来の力を失ってしまった世界各地の神々と、テレビの神インターネットの神といった新たに生み出された神々との最終決戦。かつては輝き怖れられていた神々がチープな存在になり、人間の姿を借りて細々と生きている様はなんともアイロニカルだ。だが、古い神々が新たな神々に追いやられているのは、なにもアメリカに限った話ではない。
2019/11/04
榊原 香織
上下巻の下。 アメリカでは神々もビックマックを食べるのか。 長いダークファンタジー本編はそこそこだったのだが、最終章が凄く面白かった。モノクロフィルムがそこだけカラーになるような。 世界樹ユグドラシルに住んでいるリスはラタトスクて言うのですね
2024/04/24
ちえ
下巻に入り加速度的に面白くなる。ファンタジーの中にミステリ要素やロードノベル風でもあり。一つ一つの伏線がきちんと回収されるのも良い。最後はマジックがとけ夢から覚めたようで何とも言えない気持ちに。エピローグは寂しいような清々しいような。期待以上に満足な読後感。巻末のリストを何度も読みながら、子供向きの北欧神話やギリシャ神話に夢中になっていたことを思い出す。◆ガーディアン1000
2022/04/18
白玉あずき
イメージとシンボルのカオスの中で酔いました。シャドーの道行き、犠牲と復活にはどんな意味があったのか。まだよくわからない。イエス・キリストの復活とは全く違う意味を持たせたかったのだろうが、それが何なのかが良くわからない。「神」なる物に対しての「人間」賛歌でもないし。無垢なる子供を生贄にして族神とし、加護を期待するというパターンは人類共通。多分象徴的には現代でも行われているのだろうと思ってがっかりした事とか色々引っ掛かりはあった。人の信ずる事と宗教的依存性について、難解で汲み取り難い所が好まれるんだろうか。
2018/09/16
Willie the Wildcat
歴史が紐解く、心の拠り所の発祥と傾倒の過程。希望、欲求、憧憬の根底に見え隠れする不安、恐怖、焦燥。故に、時に”信”を確かめたいのは、人も神・妖精も同じかもしれない。但し、心底の信心は不変。結果、信を問う生贄(主人公)の齎す無と愛が、「死から智を得る」歴史を踏襲を許さなかった印象。一方、「代償」。真実に向き合う主人公の代償が、新世界変遷への代償を暗喩。だから”土地”であり、コイントリックではなかろうか・・・。私見ですが、北欧の妖精ならトムテなんだけどなぁ。(笑)
2015/06/21
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