犯罪王カームジン あるいは世界一の大ぼら吹き
犯罪王カームジン あるいは世界一の大ぼら吹き / 感想・レビュー
bianca
この装丁だし、一編も数ページと短く読み易いはずなのですが、相性が合わないのか、なかなかページが進まず…。カームジンが真偽がよくわからない自分の武勇伝を語り、作者カーシュが原稿を書くというスタイル。それ程トリッキーでもない犯罪のようだけど、複雑な修飾が多く、何やら煙に巻かれて、逆に面白味が伝わらないように感じました。しかしイギリス首相チャーチルも愛読した書とのことなので、また機会があったら再読してみたいです。幽霊のヘンリーが出てくる「あの世を信じない男」「透明人間」はわかりやすく面白かったです。
2015/03/13
魚京童!
生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ いずれか貴い道なのか、このまま心のうちに 残虐な運命の攻撃を耐え忍ぶことか、 それとも苦難の海に敢然と立ち向かい、 闘ってそれに終止符を打つことか。死ぬことは眠ること、それだけの話だ。
2014/08/30
紅はこべ
カームジンと名乗る老人のほらとしか思えない犯罪の数々がユーモアで語られる。さしずめ犯罪版ほらふき男爵の冒険ってところか。どちらかというと義賊に近い愛すべき主人公。快く笑える。
2008/10/18
三柴ゆよし
ジェラルド・カーシュは、どちらかといえば「豚の島の女王」とか「骨のない人間」といった、タイトルからしてお察しの、おどろおどろしい怪奇短篇の作者として知られている。そんなカーシュが書いたユーモアミステリがこの「カームジン」シリーズで、かのイギリス首相チャーチルも愛読したという、それこそ嘘か本当かわからない惹句が、表紙に描かれたチャーミングなじいさんのイラスト(おそらくこいつがカームジンなのであろう)とも相俟って、胡散臭さを倍増させている。物語の基本路線はごく単純。(続)
2013/07/01
きゅー
自称犯罪王のカームジンが過去に行った(と本人は言ってる)華々しい犯罪を披露する短篇集。いやー面白かった。書かれている窃盗や詐欺の話がやけに生々しいので「いや実際これでいけるんじゃね?」と思ったら、ちゃんと元ネタもあったようだ。犯罪王といっても、義賊のようなところもあり、貧しいものからむしり取ることはせず、傲れるものからくすねとるので、安心して読めた。ジェラルド・カーシュは辛口と噂に聞いていたけれど、そんなこともなかったかな。ぜひほかの短篇集も読んでみようと思います。
2012/02/01
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