八雲百怪 (1) (単行本コミックス)
八雲百怪 (1) (単行本コミックス) / 感想・レビュー
眠る山猫屋
ラフカディオ・ハーンではなく、小泉八雲。小泉八雲の壮絶な生い立ちそして、来歴否認。原作者・大塚英志さんの解説が衝撃的だった。1巻ではあまり語られないが、(今では偽書とされる)海の向こうの少女との往復書簡の形で語られる小泉八雲の人生と怪異。ロマンチック。『夏越祓(なごしのはらえ)』では茅の輪潜りの風習で出会った公僕・甲賀三郎と、妖怪の名残のような粗忽者・八一をお供に、異界への道を辿って行く。風化しかけた民話に潜む残酷な真実、八雲が愛して止まなかった日本はどこか儚い。
2023/08/11
Bo-he-mian
『北神伝綺』で柳田國男、『木島日記』で折口信夫を狂言回し的な役に据え、大塚英志と森美夏が描く民俗学幻想譚、シリーズ第3弾は小泉八雲=ラフカディオ・ハーンが幻視する『八雲百怪』だ。近代化への道をひた進む明治…新しき日本の建国の妨げとなる古き因習を「仕分け、排除する」ために政府の犬として暗躍する異形の男・甲賀三郎。文明開化の聲も上の空にまどろみ彷徨う異界の者たちを巡り、極東の島国に魅せられたガイジン・八雲、まつろわぬ者の末裔が宿った生き人形・キクリ、第三目をもつデラシネ学生・八一らが、めくるめく怪異と戯れる!
2020/01/30
そのじつ
表紙のイラストに惹かれて試し読み後購入。挑戦的なアングルが頻出する。読み易くないが読み応えある意欲的な漫画。小泉八雲が主役なのも良い。あの特有の喋り方、愛すべきお人柄。怪異と惹かれ合うひとびととなにやら暗躍する仕事人らしき者たちの物語り。シリーズ前作も読んでみたが、本作が一番好みにフィットする。甲賀三郎氏の包帯ぐるぐる頭部や、八雲の視力のない片目、凋落した神など異形をスタイリッシュな白と黒のフォルムで見せる画が見事!ほんと魅入られてしまった。夏にぴったりの怪談漫画を読む愉しみに浸っています。
2024/07/08
あさひ
蘇民将来と巨旦の話しが面白かった。丁度、海獣の子供にも蘇民将来のお札が出てきてた。
2019/07/12
辺野錠
昭和じゃなくて明治が舞台で妖怪がメインだからこれまでの木島日記や北神伝綺とは違った雰囲気だなあと思ったが最後の方で松岡参事官もとい柳田國男が出て来たのに安心した。巻末の偽書とされている八雲と少女の手紙のやり取りの話が興味深かった。
2016/03/18
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