キノの旅XIX the Beautiful World (電撃文庫)
キノの旅XIX the Beautiful World (電撃文庫) / 感想・レビュー
ひめありす@灯れ松明の火
どんなにしたって、人は自分自身には出会えない。どんなに長い旅をしても、旅人たる私の前に、旅人たる私は現れない。エルメスに乗って追いかけても、私の背中は見えない。追いつけない。追い越せない。探せない。遠き島の友を写し取るフォトの超望遠レンズにだって、私の姿は捉えられない。おんぼろ自動車の師匠と弟子だって、自分自身の背中を撃ち抜けないし、元気な二人と一匹の見る夢にだって自分自身とは出会えない。だから、私達は旅を続ける。出逢う人の中に、すれ違う記憶の中に、私とよく似た貴方の中に、いる。自分自身に出会えるように。
2015/11/22
まりも
どんなに願っても会えない私は私に会えない。年に一度のお楽しみ、キノの旅の第十九弾。安心安全な面白さでした。守る国、キノらしいエグミのある話。戦えない国、戦争を望むのは民衆。確かにそれはその通りだなぁ。その民意を悪用するかどうかで外交っていうのも変わっていくのでしょう。助けにきた国、フォトメインのお話。悲しくて切ない結末だったけど、心が落ち着く良いお話でした。天才の国、赤ん坊はみんな天才って良い言葉ですね。今回はページ数少な目だったので、来年のキノはページ数たっぷりになると良いな。
2015/10/11
Yobata
どんなに願っても会えない 私は私に会えない-I Can't See Me.-「美しい記憶の国」「天才の国」「秀才の国」「守る国」「戦えない国」「贋物の国」「助けに来た国」「撃ちまくれる国」「捨てる国」の9話と「幸せの国」「首輪の国」の口絵ノベル2話。環境保護をうたい並木道を守り続けた裏には死体を隠していたという「守る国」みたいな実質的なエグさもキノらしいけど、子供を一括管理し、秀才に育て上げるプロジェクトの中で、秀才にならなかった子供は不良品として廃棄するというその国では当たり前に語られるえげつなさが→
2015/10/10
ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう
10月と言えばキノの旅の新刊!「幸せの話」「首輪の国」「捨てる国」「美しい記憶の国」「天才の国」「秀才の国」「守る国」「戦えない国」「贋物の国」「助けに来た国」「撃ちまくれる国」。今回もシュールでブラックな話が斬れ味満タンでよかった!個人的てフォトとソウの話が好きで、読んでいるとほっとする。キノ、シズ様の話では、今回いつもよりもブラックな感じの話が多かったような?ほんとティーはどんな子に育つんだろ。全体的に軽快な会話のやり取りが気持ちいい。あとがきのヒモなシズ様だけは嫌だ!笑 来年の10月がまた楽しみ。
2015/10/16
ごま
毎年10月の風物詩!!上手く言えないんですけど、今回はなんだか表紙の雰囲気が違いますね。素敵です。そんなに凄惨な話がなくて、内容は薄目で、本の厚さも薄め。キノの旅はそれがいいんです。15周年記念のあとがきショートを読んで、ちょっとだけ桜庭一樹の私の男を思い出したんですけど、そんなシズ様ご一行はいやだ…。でもこういうネタ好きです。またやってほしいかもしれません。
2015/10/29
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