手塚治虫 知られざる天才の苦悩 (アスキー新書 111)
手塚治虫 知られざる天才の苦悩 (アスキー新書 111) / 感想・レビュー
zero1
漫画の巨匠はどのように誕生し何に悩んだか。息子が語る。宝塚や落語、映画。それ以前に【甲虫図譜】の精密さに驚く。戦争体験と医学、生命倫理にヒューマニズム。アトムのアニメ化に虫プロ倒産。嫉妬と劇画。悪書との批判は今も。度重なる描き直しとスターシステム。未来と過去を結ぶ未完の大作「火の鳥」と自己犠牲の「ジャングル大帝」。名台詞多数(後述)。軽く読めるがあと100ページあってもよかった。図書館で偶然見かけ読む。講談社の手塚全集を再読したくなった。
2023/04/23
ぐうぐう
この本の好感は、手塚治虫の息子である特権を振りかざしていないところだ。手塚眞は、息子としてというよりも、同じアーティストとして、手塚治虫の心情を理解しようと努めている。盲目的に父の業績を称えるのではなく、手塚治虫という神様の伝説が生んだ誇張や誤解を、丁寧に修正していく。特に、漫画に対しては単行本になるたびに描き直しするほどの完璧主義者だった手塚が、ことアニメに関してはどこかずさんさが窺えるという疑問を解く記述には、なるほどと思わされた。
2009/07/30
駄々猫
手塚治虫という人を、あまりよく知らない人のための入門編的な本のようだ。たぶん、大ファンなら知っていることなんだろうけど、初心者で手塚漫画もそれほど読んでいない私には、「へえ」と思えることが多かった。でも、この副題は大袈裟な気がする・・・だいたい天才って呼ばれる人は皆苦悩してるじゃん。治虫氏が先天的ではなく後天的な、努力型の天才(ってありえるのか?)だってことは良くわかりました。
2009/07/08
mietreky
息子が語る本当の手塚治虫。手塚治虫氏の完璧性、繊細さ、対抗心などなど、まさに「知られざる手塚治虫像」が描かれている。数分で1冊読了する読書力とは感心と言うより嫉妬心がフツフツ。編集者との打ち合わせの前に本屋で3冊を10分くらいで読んで、完璧に頭にインプットして会議でその情報をバリバリ利用するとか。やっぱり、天才だ。もっとも手塚治虫らしいと息子のいう「火の鳥」読んでみよう。
2009/06/18
bittersweet symphony
どうも口述筆記で出来たらしい(お忙しいんでしょうきっと)、子が語る手塚治虫論。論旨は父は天才で努力家だった、僕もがんばっていますという感じでございます。個人的には、手塚治虫の年代で何かをなさんとするのに恵まれた家庭環境というのが一番大きな要因であった、というのが一市民としての印象ですね。それにワーカホリックであったことが拍車をかけたと言うところでしょうか。
2009/10/20
感想・レビューをもっと見る