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紫色のクオリア (電撃文庫 う 1-24)

紫色のクオリア (電撃文庫 う 1-24)

紫色のクオリア (電撃文庫 う 1-24)

作家
うえお久光
綱島志朗
出版社
アスキー・メディアワークス
発売日
2009-07-10
ISBN
9784048679046
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紫色のクオリア (電撃文庫 う 1-24) / 感想・レビュー

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徒花

おもしろかった!自分以外の生物がすべて「ロボット」に見える少女を救うために何度も平行世界でトライ&エラーを繰り返す少女の壮大なSF。けっこうエグイシーンもあるし、量子力学をベースに専門用語を使うけど、まああまり細かいことを気にしなくても楽しめる。イメージ的には『ビアンカ・オーバーステップ』か『ライオンハート』に近い。最初の物語の収束の仕方では『玩具修理者』を思い出したり。しかし、この物語をこのくらいのボリュームでまとめあげて完結させるのはひとつの技量。一読の価値あり。

2018/09/22

SPICA

新着で名前を見て久々に再読。この本を紹介しようとするとほぼ「いいから読め」で終わる気がします。あらすじ通りに進むのは本当に序盤だけで、中盤以降の怒涛の展開に一気に引き込まれました。タイムリープもので有名どころだとシュタゲやまどかがありますが、「真っ当に救われる」「救われる側が全てを救う」以外の、また違った美しい結末でした。イリヤもそうでしたが、読後に改めて見るとタイトルのつけ方が上手いんですよね。間違いなく同系統のSFの中で最高峰に位置する作品です。ラノベ読み始めた初期にこの作品に出合えたのは幸運でした。

2014/11/04

美羽と花雲のハナシ

自分以外の人間がロボットに見えるゆかり。組織の学校に転校した彼女は半年後に死ぬ。「ゆかりが絶対に死ぬ運命」から救い出す為、私は因果律や運命を捻じ曲げ、無限の可能性、無数の私、あらゆる世界の知識と経験を使って過去改変を試みる。『沙耶の唄』『シュタインズ・ゲート』『魔法少女まどかマギカ』を彷彿させる数々の描写や思想が興味深い。哲学的ゾンビ、シュレディンガーの猫、平行世界、白黒部屋の中のメアリー、パイロット解釈、コペンハーゲン解釈、波束の収縮、干渉性の喪失、フェルマーの原理、万物の理論。そして、紫色のクオリア。

2013/03/24

催涙雨

この内容を一冊にまとめあげたことに好感がもてます。文章量が少ないためもう少し肉付けのほしい部分も少なくなく、やや駆け足に感じる面はありますが、物語を進めるうえで重要ではない部分が簡略化されている影響が一番大きいように思います。またその結果として作品のテンポが良くなり、結末のカタルシスまでに強いドライブ感を与えています。ループ、平行世界ものにつきまとう冗漫さもほとんどないので、かえって美点と言えるかもしれません。カジュアルな性質を損なうことなくSFの可能性がきちんと表現されているたいへん面白い作品でした。

2022/07/21

KEI

購入。これは面白い。2009年下半期ラノベ杯(新規作品部門)得票数1位もこれなら頷ける。発行当初の自分に電話し、叱責してでも読ませてやりたいww 中篇2作目の「 1/1,000,000,000のキス」から、スピード感が半端ない。読者なんか無視してマナブが突っ走って行く様を、ただただ見守ることしか出来なかった。SFでありながら人としての在り方、人と人との在り方を問いかけられたような気がした。

2010/02/28

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