キャラクターメーカー6つの理論とワークショップで学ぶ「つくり方」 (アスキー新書 62)
キャラクターメーカー6つの理論とワークショップで学ぶ「つくり方」 (アスキー新書 62) / 感想・レビュー
ジョン
普段から映画や小説を楽しみ、キャラクターがどうのこうのと言及しているので、ここは自分も勉強してみよう! と思って読んだ一冊。役に立つかどうかは本人が創作活動をしているかどうかが大前提だが、間違いなく教養は身につく。現代日本のマンガのルーツをたどるだけでなく、心理学や海外論文からの引用など、著者の教養の深さと、それら小難しい理論を受け手にすっと読ませてしまう「噛み砕く力」と「文章力」に驚かされた。さすが名作「多重人格探偵サイコ」の原作者。姉妹本も読もう。そしてあわよくば、なんか作ってみよう。
2017/08/21
佐島楓
読み物として面白かった。発想の部分では明らかに自分の中にないものが描かれていた。結局私小説はキャラクター小説であるというところは、うん、そう言われてみると確かにそうなのだろうと納得した。手塚治虫論も読めたし、お得な感じ。
2011/10/11
空箱零士
キャラメイクの方法論自体はポストモダンだけど、そこに「私」というモダンが入ってくるのが特徴で、アトムの命題で、民話だったり神話だったりで、基本的にはいつもの大塚さんだった。ただ、内面をアバターと捉えたり、主人公は実は本来的には「自発的には動かない」ものだと理論立てて解説したり、「影(敵対者)」は実は必ずしも乗り越えられるものではないしむしろ「闇落ち」ということも普通にありえる厄介なものなのだと解説したりと、思っていた以上に内容に新規性があって満足感はあった。方法論自体は……ちょっと疲れそうだなぁ、とだけ。
2018/08/04
ヴェルナーの日記
著者の理論は、プロップの物語論や神話理論、ソシュールの記号論が元になっている。物語作りにしろ、登場人物の作成にしろ、ある一定の法則に従っており、それを踏襲すれば、誰でもキャラクターが作れるようになるといった具合で話は展開する。ただ、果たして本当に誰でも作れるようになるか?といえば、程度の問題であろうと想う。確かに作れるようになるが、そのキャラが、物語に合った人物なるかどうかは、やはり、それなりの熟練し、洗練されたセンスが必要であろうと感じた。
2014/04/17
mstr_kk
再読。創作を行うときのキャラクターの作り方が、いくつかの観点から紹介され、それにまつわる大塚英志の思想が披歴されます。大塚の文章はいつもけっこう雑ですが、内容的には得るところが多いです。特に日本において「キャラクター」がほぼ宿命的にもってしまうバイアスについては、なるほどと思わされます。
2020/09/11
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