大正二十九年の乙女たち (メディアワークス文庫 ま 1-1)
大正二十九年の乙女たち (メディアワークス文庫 ま 1-1) / 感想・レビュー
ひめありす@灯れ松明の火
この物語に登場する乙女たちは、カンコも含めて誰も恋をしない。男を愛したりもしない。それぞれ事情を抱えている事はわかるけれど、それでも誰一人異性の姿を意識しないのだ。十代後半の最も多感で美しい、人に恋をするべき季節のはずなのに。何とも歪んで醜い、ヨモツシコメ達であろうか。けれど、そこが、彼女達の最も多感で美しい所なのだろう。トロンプ・ルイユで描かれた絵。背景なんて、所詮は触れられぬ幻だ。ただここにある互いの姿が全てだった少女の日々。たった一枚、古本に挟まっていたビラからこれだけの物語を作りだした才能に感服。
2011/12/10
fukumasagami
世間に立ち向かう四人の女学生たち。
2023/03/24
miroku
牧野修氏の新境地か・・・。牧野さんにしては抑えて抑えて書き上げたであろうこの作品はいい♪ 本当にいい!
2012/10/03
びっぐすとん
110円本。『月世界小説』よりは断然読みやすかったが、面白いかと言われるとウーン・・・。ちょっとどのエピソードも中途半端だった。そもそもなんで大正29年というありもしない年にしなければならなかったのか?昭和じゃダメな理由は?江戸川乱歩とか夢野久作とかふうのデカダンスな内容は大正の方が似合うから?なんで唐突にみんな兵隊に志願するのかもよく解らない(芸術学校に入るのさえ反対されるお嬢様なのに親が了解するの?)。猟奇推理小説としても少女小説としてもムニャムニャ・・・。
2021/07/30
マツユキ
花嫁学校として有名な女子美術学校で、陽子、千種、逸子、華羊は、本気で美術を取り組んでいた。ある日、陽子と千種は、学校の閉ざされた棟で不可解な作品が見つかる。世間を賑わす若い女性を狙った誘拐犯との関係は…。 グロい事件が起きますが、そちらは本筋ではなく、女学生たちの友情が軸になっています。結婚、男女、芸術、戦争。彼女たちも変わり行く時代を歩んで行くんですが、良い出会い、良い時だった。爽やかですね。 牧野作品は、『MOUSE』は好きだったな。内容を覚えてないけど…。新旧読んでみたいです。
2021/07/26
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