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時のアラベスク

時のアラベスク

時のアラベスク

作家
服部まゆみ
出版社
KADOKAWA
発売日
1987-05-01
ISBN
9784048724647
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時のアラベスク / 感想・レビュー

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雪紫

再読。親友の小説が映画化。それを契機としてイギリスで、日本で、謎めいたファンの存在や死によって悲劇と喪失の1年が訪れる。語り手だから伝わる亮の慶への依存と部分的に明かす原作、トラベルミステリというには映画の舞台となるイギリスが何処か暗い雰囲気を匂わせる(でも霧より雨っぽい)。最後まで何処までも失われる幻想的な物語(春美、清涼剤よね)で改めて喪失感が強くなり、その話の中で産まれた原作、映画それぞれの「魔物たちの夜」に思いを馳せてしまう。作者が故人だからこそこの本で書かれたこと以外もうわからない分余計に。

2023/10/09

ちょび

この方の作品は亡くなった後に存在を知り読みました。何度読んでも耽美な世界に魅了されてしまうし、亮と慶のちょっと危ない幼なじみな関係とか好きだった。もう服部さんの作品が読めないなんて寂しすぎる…。

2012/08/29

さよならん

装画も服部先生がされたとか……天は人に二物も三物も与えるものなのだなあとしみじみ思った。最後まで読むと慶に対してどういう感情を持てばよいのかわからなくなった。千秋と昇はこれから2人で生きていくのかな。2人だけの世界を持っている姉弟の雰囲気が芸術に2人とも長けていることも相成って美しく感じる

2014/05/08

chocoうさぎ

デビュー作だけに素人くさいところもあるが面白く読んだ。デビュー作からしてヨーロッパ趣味で、先に読んだ『1888 切り裂きジャック』に通じるものが既にある。1987年の横溝正史賞受賞作のせいか、いささか時代を感じさせるキャラクター設定。素人探偵が張り切る様子は『虚無への供物』の影響か?鬱陶しい春美の存在が物語の推進になっている。イギリスやベルギーの実在の場所は観光気分で画像を見ながら読んだ。クノップフの絵やロンドンの霧、ブルージュの曇天の空気感が全体を通して流れていて、喪失感の物語と合っている。

2021/07/08

わたろう

タイトルと内容が一致してないです。素人が書いたミステリーそのものでした。いかにもオシャレな女子の好きそうな舞台設定で出てくる小道具も寒気がするほど恥ずかしいものでした。さすが角川の選ぶ応募作です。

2017/08/19

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