遠い海から来たCOO
遠い海から来たCOO / 感想・レビュー
空猫
【第99回直木賞】生き残りの恐竜(?)の赤ちゃん拾い育てるという、海と共に暮らす父と息子の 平和な生活の様子から始まるも、後半から急に「ダイ・ハード」みたいな展開に。自らも自然の一部だという事を忘れた人間達への痛烈な皮肉が満載。でもどうにも作者の上から目線が最後までどうにも鼻についたのが残念。(こんなに調べあげたんだぜと言わんばかりの詳細すぎる説明や、マスゴミを始めバカと見下す描写など)ファンタジーでアクションで、、B級映画みたいで好みではなかった。
2022/11/14
junkty@灯れ松明の火
だいぶ前の作品ですが、家族所有の本で実家に置いてあったので読んでみました。恐竜の定説がドンドン変化してきている現在からみると古さも感じますが、COOがイキイキとしている様はとてもリアルで、本当にいるんじゃないか?と思える程でした。全体的に面白かったんですが、政治や環境問題についてのスタンスがちょっと偏り過ぎてる気が…。私の環境や生物多様性に対する意識が低過ぎるんでしょうが、その辺りで少〜し合わなかったのが残念。
2010/09/26
山口透析鉄
SFマガジンの書評で褒められていたので、当時住んでいた文京区の図書館で本を借りて読みました。 海洋冒険小説といった趣で、かつ海竜が実は生き残っていて……といったSF小説でしたし、主人公の洋助少年の成長物語としての出来は悪くはなかったと思います。 ただ、景山民夫氏の小説、読んだのはこれっきりでした。 反社会的カルトといって良い幸福の科学に引っかかってしまい、アジア蔑視等が一貫した教義には全く共感できず、何やってんのかな?と横目で見ていたら、火事で死んでしまったというところですね。もう読むこともないでしょう。
1988/12/17
BUBI
読書会でのおとかーるさんのお勧め本。想像よりもずっとバイオレンスな小説でした。もちろん南の海の美しさは素晴らしいのですけど、私にはクーの可愛さよりもSDECEとのバトルシーンが強烈に印象に残りました。そしてどんなに必死に抵抗しても南洋での核実験は決定してしまう。それをひっくり返すのは…超常的とも思える力。人間は自分だけでは自分の愚かさを止められないのかと思うとちょっと絶望的にも思いました。ラストはあっさり終わってしまいますが、この小説が書かれたのは昭和63年。洋助は今頃どんな大人になっているかな。
2018/05/04
ベック
いまでこそ、恐竜が出てくる話は手垢がついた感じでありふれているのだが、本書が刊行された26年前は、とても新鮮に感じたものだった。本書は素晴らしい。使い古された物語かもしれないが、やはり琴線に触れてしまうのだ。この気持ちがある限り、自分は大丈夫なんだと思える。こういう話に涙を流せる自分が好きだ。
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