浴室の窓から彼女は
浴室の窓から彼女は / 感想・レビュー
Roy
★★★★+ 人と手をつないだって妄想を共有することは出来ないのである。他者との境目にある溝は浅いようで広い。それぞれ個人が孤島として存在し、すぐ側に対岸が見えているのに橋を架けるってことも出来ないのだ。いくら自分と似た島であっても。そんな妄想の架け橋を試みた小説だと思う。僕はこの小説の会話などから、野島伸司のドラマを見ている感覚に陥った。重くなくて甘い方の野島作品。ふわふわしているようで地に足がついている。でも僕の思う野島作品よりも前に作られている。
2009/08/31
スズキィイ
タイトルにもなったビートルズの「She Came In Through The Bathroom window」が引用されているため、レノン=マッカートニーの曲のごとく「生き生きとしながら倦怠の気にみち、同じ目標に向かいながら支離滅裂で、つまるところありとあらゆる言語矛盾をすべて包含したよう」に自由に楽しく「人間ははたして自分と恋愛することは可能か、ということ。」について描かれた都会的で軽妙洒脱な恋愛小説。
2024/02/14
感想・レビューをもっと見る