F: 落第生
F: 落第生 / 感想・レビュー
あいくん
☆☆☆1989年から1996年に発表された7編が収められています。題名から高校生あたりを題材にしたものという想像がされますが、大人になった女性たちが主な主人公です。「重たい色のコートを脱いで」の井口聡美は青年マンガの編集部にいますが、最初は女性誌の編集部にいました。 その女性誌編集部では女性編集長に嫌われていました。 女流作家とのトラブルも起こしました。聡美は、一流出版社で編集に携わっている人間が子どもじみた嫉妬によって特定の個人に嫌がらせをするわけがないと信じていましたが、存在することがわかりました。
2018/05/20
sigh
「主人公である女性たちがみな落第生であるように思えた」とあとがきにある。それならば、人は皆、多かれ少なかれ落第生であるのではないか。何の後悔もない人生を送っている、と言う人がいるのならばそれは単に鈍感なだけではないか。そんなことを全体を通して感じた。逆境も苦難も後悔もあるけれど、それでも生活し続けることには意味がある。心がふっと軽くなる一冊だった。いやしかし、女同士の陰険さって壮絶だなあ。
2012/01/04
ひさしぶり
シコちゃんの夏休みと重たい色のコートを脱いでが個人的にすき。 当時はパワハラとかコンプライアンスとかの定義なかったような気がする。鉄砲ダマみたいな若者が所々に目をこらすといて聡美に被る。長編読みたイ
2019/02/12
スイッチ
初読み作家さん。癒えることの無い人生のトンネルに入り込んでしまった女性が主人公の7話の短編集。それぞれが抱える傷のかさぶたを掻きむしって、なかなか治らない。傷の原因がどこにあるのかさえ見えない状況の中でも頑張っている女性を応援したくなるよねぇ!涙腺を刺激する本でした。
2018/08/09
修子
紹介文に「落第」してしまった女の子たちへ。とあるけれど、読んでいて、意外と自分に当てはまる部分もあり。。。そっかぁ。私って落第生だったんだなぁ。なんて(笑)
2008/01/21
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