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不夜城

不夜城

不夜城

作家
馳星周
出版社
KADOKAWA
発売日
1996-08-01
ISBN
9784048729833
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不夜城 / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

発刊された当時、まだそんなにブレイクしていたワケではなく本屋さんで装丁が気になり手にした作品でしたが、とにかくその衝撃度は30年近く経過した今もなお、鮮明に憶えています。「ノワール」というジャンルを見事にポピュラーに広めた功績はただならぬコトだと思います。読み始めて3分と経たないうちに、そこはもう小説の舞台にまるで自分がいるような素晴らしい感覚を引き出させてくれます。バイオレンスが苦手という方も、本作だけは一度手にとっていただきたいと思います。映像化もされてますが、やっぱり原作の醸し出す雰囲気は最高です。

みっちゃん

ノワール初挑戦。歌舞伎町のネオンの下に暗躍する中国マフィア。体内の日本人の血故に、コミュニティには入れず、勢力争いの渦中、用心深さと生来の鋭い勘だけを頼みに薄氷を踏むように生きる。手を組んだかと思えば次の瞬間には裏切り、邪魔者は完膚なきまでに叩き潰す。大事なのは生き残る事、法律や良心の有無は問われる事はない。金と女と暴力、血飛沫。1頁先の展開すら覚束ない緊迫感に戦々恐々となりながら頁を捲った。謎の女夏実の実像、衝撃の結末には何とも言えない苦いものが残る。戦慄のラスト一行から次の「鎮魂歌」に続くのか。

2020/09/06

優希

アングラ感半端なし、と言えるでしょう。裏の社会で生きるマフィアたちの物語が濃厚でした。中国人、台湾人、ハーフとそれぞれのプライドの中で抗争社会にある。情けのない世界だからこそ見えない戦いにさらされているのだと思います。それは互いに無縁であるための戦いなのかもしれません。

2017/12/05

ゆみねこ

馳さんのデビュー作。新宿歌舞伎町を舞台に、台湾と日本人のハーフ・健一が大暴れ。台湾・北京・上海、残留日本人孤児とハーフ、男と女。裏切りと暴力、歌舞伎町の喧騒が脳裏に浮かぶ圧倒的なクライムノベルでした。「少年と犬」で馳さんを知った人には驚きの作品かもしれない。

2020/08/28

aki☆

新宿歌舞伎町、中国人マフィア蔓延る裏社会に生きる孤独な男 劉健一。騙し合いと裏切りの応酬。誰も信じられない。恋人さえも。裏社会の住人なので勝手に強い男をイメージしていたけど実際は違った。もしもの時の為の備えの多さと行動を起こす時の保険、そして磨き抜かれた勘に驚嘆と畏怖を覚える。ここまでしないと生き残れないなんて。誰が死に誰が生き残るのか予想は付いても誰が味方で誰が敵かは全く分からず緊迫感は半端ない。文字数の多さに辟易していたのに後半は一気読み。誰も好きになれないし後味も悪い。でも面白かったのも間違いない。

2020/10/02

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