いちばん初めにあった海
いちばん初めにあった海 / 感想・レビュー
七色一味
読破。長編かな、と思ったら表題作の他にもう1編収録されていた中編集でした。くるくると視点の変わる物語展開に、最初はあたふたとしてしまいましたが、終盤、全ての事象を貫いていた糸が収斂するように、1つのカタチになっていく、とても優しい物語でした。別の物語と思っていた「化石の樹」も繋がっていて、これまたじんわりと染みこむ物語です。
2015/03/27
スケキヨ
表題作が何とも不安定な世界観で『どこで』『何を』「行きつ戻りつ」しているのか何度も迷いそうになりました。でも、主人公が向き直す辺りから一気に引き込まれました。「化石の樹」の語り口調の優しい事。硬くなった心がほぐされて本を閉じたときに「いいもの読んだなぁ」とほっこりしました。やっぱり加納さん好きです。
2010/07/20
Akiki
表題作と他1作収録。1冊丸ごとの長編だと思って読んでいたら唐突に終わってしまいなんだか中途半端で消化不良を起こした感じ。やはり初期の頃の作品なのでいまひとつ完成度が低いのかしら?同時収録の短編も同時期のものなら似たような感じかもしれないから読まなくてもいいかな~・・・などと不遜なことを思いつつ、ついでに、と思い読んだ。別の短編じゃなくてオムニバスだったとは・・・(汗)読んでよかった・・・初期だろうがなんだろうが、やはり加納作品でした。優しい気持ちになれるいいお話。特に「他1作」の方がよかった。
2014/04/07
cinos
再読。初読の時、ぼろ泣きました。二つの中編が入っていて、美しく結びつきます。手紙やノート、青い海と空の表紙の本など、物語で重要な位置をしめるのは加納さんらしいです。
2017/10/31
あおさわ
読了後、心の芯が温まったような感覚でした。収録作2作とも、読み始めはなかなかわからないですがしっかりミステリー。謎があり、解決して、救いがあります。表題作もよかったですけど「化石の樹」の方が好きです。児童虐待や家族という重いテーマながら、温かな救いがありました。幸せになってほしい。
2012/01/18
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