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東京怪奇地図

東京怪奇地図

東京怪奇地図

作家
森真沙子
出版社
KADOKAWA
発売日
1997-01-01
ISBN
9784048730167
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東京怪奇地図 / 感想・レビュー

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blue_elephant

どなたかの感想で「東京ニ十三区女」より、こちらの方が良かったと書かれてあり、早速図書館で借りて読む。東京の街に絡む6つの短編に、樋口一葉、鶴屋南北、江戸川乱歩、泉鏡花、永井荷風、芥川龍之介という文豪たちを忍ばせ、ねっとりした、なんとも言えない妖しい空気感を創り出す。怖がらせようとするためだったり、オチのために作られる文体とは、やはり違う。抗いきれない人の情念を短い話の中にしっかりと描かれている。語られる東京の街に、私も絡めとられたかように街の息づかいを感じた。

2019/02/04

紺。。。

現代の東京と、文豪たちの東京、切り絵図の江戸が重なり合って現出する不思議な出来事。怪奇地図、という題名だが、そこまで怪奇な話ではないし、怖くもない。どちらかというと幻想譚。樋口一葉の登場する「夢ぞかし」、芥川龍之介の登場する「田端346番地」が好き。

2014/11/23

しゃむ・しゃむ

現在の下町を舞台に、文学を下地にした怪奇小説の短編集。怖いというよりもむしろ幻想的。日常の中にそっと忍び寄る怪異に、ぞっとする。文学好きはそっと織り込まれているネタにニヤッとしながら読めて楽しいだろう。南北と殺人事件を絡めた人形忌がいちばん好き。

2016/09/11

ワッピー

東京の過去にはこんな怪奇が眠っている。一葉、南北、乱歩、鏡花、荷風、龍之介の世界にオーバーラップさせたふしき絵図の6話。ワッピー的には地霊的な「無闇坂」の語られない謎が怖かったけれど、それ以外は怨念の語でありながら妙にさっぱりとした口当たりだったのが印象的。

2014/01/18

teitowoaruku

男女の愛憎入り混じる陰鬱な話が多いので、そういうのが苦手な人は読み進めるのに時間がかかるかも。物語は静かにしっとりと進み、終盤急にぞっとさせられる。「転校生」も良かったが、短編ホラーを書くのはうまい方だと思う。

2021/11/27

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