少女達がいた街
少女達がいた街 / 感想・レビュー
とも
★★★★☆二転三転の展開に、怒涛のクライマックスと収束に、改めて柴田よしきの偉大さを思いしらされた。前半は、1975年高度成長真っ只中の渋谷、街をカッポするロックを愛する若者たちの物語が続く。文章がうまいのでテンポはよいが、内容が古臭くて ここまでは結構ダルイ。が、最後にひとつの事件が起こるところで、 時代は一機に1996年にまですっ飛び後半に突入するや、推理小説に早変わりするのである。そこで前半に大頁をはたいて作りあげた登場人物の見えていなかった裏の顔が現れた時に、見える真相は!間違いなく傑作である。
2017/06/21
ぶんこ
母親感覚で読んでいて、ノンノの危なっかしさにハラハラしていました。 若い頃の無軌道さには、危険が隣り合わせなのだと教えたくてたまりませんでした。 不良になれなかった16歳の頃、キャンティというレストランにたむろする六本木族に憧れていました。 この物語の渋谷族は、もっと幼いだけに、極端にはしってしまった。 辛い読後感です。
2014/03/07
星落秋風五丈原
発見された二つの焼死体と焼けただれながら救出された少女。1975年と1996年。二つの時代の社会風俗を背景として宿命に操られる少女達を軸に青春と人生の哀歓を描くミステリー。
2000/12/26
だんたろう
前半は全く訳がわからず、中盤では自分の向かっている方向すらわからなくなった。最後にすべての糸がつながる展開は見事。都会の繁華街に巣くう少女達の生態を書いただけなのかと思いきや、必然と偶然がすべてを支配している儚さを描いている。登場人物は誰もが自己中心的で、全く感情移入はできなかったのは、誰一人幸せな人間がいないからか。ビートルズをよく知らない人には、訳のわからないことも多いと思う。そのあたりをもう少し丁寧に書いていれば、いろんな人がもっと楽しめただろうに。その点だけが残念に思う。
2010/04/13
Cinnamon
図書館本。十六歳の二人の少女。ロックとファッション、その時代の雰囲気を感じ取れます。登場する十代の子たちがみんな危なっかしくて、悲しいくらいに浅はかで、でも全員に未来があるはずだった。渋谷で今はやりの子たちを見ても、そう感じるかはわからないけれど、1970年代という時代にあった切羽詰まった若さが事件を複雑にしたのかもしれません。
2016/10/24
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