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グランド・ミステリー (KADOKAWA新文芸)

グランド・ミステリー (KADOKAWA新文芸)

グランド・ミステリー (KADOKAWA新文芸)

作家
奥泉光
出版社
KADOKAWA
発売日
1998-03-01
ISBN
9784048730891
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グランド・ミステリー (KADOKAWA新文芸) / 感想・レビュー

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James Hayashi

タイトル通りの偉大な作品。真珠湾攻撃直後に不可解な自殺を遂げるパイロットや、艦長室から消えた金庫や行方不明者。上下2段の500p越えで読むのを躊躇していたが、読み応えたっぷりのミステリ。戦記モノだけでなく、士官たちの家族や恋愛(これがいい味出してる)SFも絡めて盛りだくさん。作中では夕鶴という架空の戦艦になっているが、吉村昭先生の「陸奥爆沈」を思い出した。SFとアングルのグランドオダリスクを外した方が自分には楽しめたのだが。

2019/08/18

どんまいシリル

読み終えるのに2週間以上かかってしまった。最初は3ページで意識がなくなり、挫折するかと思った。スゴイ本を読んでしまった感じ。いろんな意味で面白い。そして、いろいろ解らない。なぜ、ベネチアで、ナイフはなんだったのだろう。「日本人は戦争から何も学ばないんだ。」というセリフには胸がつまった。赤紙がきた義兄との会話に涙が出そうになり、その後の義兄の滑稽さが余計に哀しく…でも笑ってしまった。最後まで読んで良かった。

2017/03/11

乱読999+α

太平洋戦争開始時、空母での投身、飛行士の服毒、潜水艦での金庫紛失、そしてそれ以前に起こった掃海艇の爆破沈没の謎、そこに複雑に絡み合う少しずつ異なる事項を繰り返し経験する=未来を覗き見る事が出来ると言う、パラレルワールド。奥泉氏らしい味付けの戦記・SF・ミステリィでもあり、日本の当時、現在に痛烈なアイロニーを投じた思想書でもあった。夏目漱石に似た洒脱な文章、時折は樋口一葉でもあった。また、安部公房の「第四間氷期」が垣間見られ嬉しいのだが、やや詰め込みすぎのきらいもある。それでも流石に奥泉氏、面白く読めた。

2015/08/23

よっちゃん

再読しないと仕掛けが判らない難物ですが文章の香りといいテーマといい一級品だと思います。芥川賞受賞作の「石の来歴」の大型判というところ。「『吾輩は猫である』殺人事件」は夏目漱石の文体そのままのSF的ミステリーとして完成されたもの、この三冊はいずれもタイムスリップというSF的手法で書かれています。これは戦争の「狂気」を真っ正面から取り上げ、歴史という流れにおいて個人の行動の限界と可能性を様々な登場人物の立場で描き考えさせられる作品です。ちょうどピカソの「ゲルニカ」を見入っている同じ感動を覚えました。

2003/01/19

ホレイシア

たしか奥泉作品デビュー。はまった。

2008/01/02

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