君が壊れてしまう前に (KADOKAWA新文芸)
君が壊れてしまう前に (KADOKAWA新文芸) / 感想・レビュー
チェ・ブンブン
映画「中学生円山」もそうだが、中学生男子は危険でエッチだということを全面に出し切っていた。これは、文体がユニークで本当に365日のことを天気から綴っている。そして、主人公にとって日記は羞恥の塊なため、自分の本名は❤で表すという斬新さ。アフェアする。勉強8時間新記録でもあっちのほう(勃起)も2時間新記録みたいに変態の表現にキレがあって面白かった。そして婉曲に言うエロさの表現技法を学んだw
2013/06/27
色々甚平
中学生の日記として書かれている。こんなうまく中学生っぽい文章書けるのすごいなーというのが安直ながらの感想。クラシックや文学、哲学に傾倒して、ツァラトゥストラの本を毎度持ち歩いたり、どうにか日常の破壊や革命を目論もうとしながら、夜のおかずを探している姿は中学生らしいもどかしさを感じた。逆に最近よくある不自然に頭の回りすぎる小中学生ではないので、言動に煩わしさというかモヤモヤを感じることもできる。学校と崩壊すらありえる家族にいるときの切り替えも自然だった。もしかしたら著者の実体験も入っているのかも?
2017/12/04
amanon
タイトルからして、もっとシリアスな内容を想像していたのだけれど、実際に読んでみると、性欲に悶々とはしているけれど、1975年の東京郊外を舞台にした、そこそこにいけている中学生の日記体の小説。これはある程度著者の体験も反映されているのだろうか?日記では憂鬱だとか、ついてないとか言いながらも、実は結構美味しい目にもあっているのが、個人的には気に食わない(笑)。後、江口五月の死は痛ましかった。かなり早い時点で最終的に主人公とエミコがくっつくのは、予想がついたけれど、それがいわば五月の死によってもたらされたとは…
2012/06/07
アキ
最後まで付き合いきれるか、少々不安だったけど、意外と読めました。程度の差はあれ、元妄想中学生には、なんでもない物語ってことでしょうか。それにしても中学生の頃のあの空気って妙に懐かしく感じます。精神と身体のアンバランスを発火点にして、もろもろのエネルギーが爆発し発散され、昇華されていく時期(規格内の人間へと収まるけど)、いわば自分の原点だったから?あっ、それとタイトルの「君が〜」を「僕が」と勘違いしたまま読了してました。君って、誰のこと?
2010/12/02
散歩いぬ
「ノルウェイの森」を読んだのが十六歳だったと思う。「ぼくは勉強ができない」は十九歳。アラフォーになって中学生日記を読むとは思わなかった。先の二作の向こうを張る良作。男の子の現実は良いことも悪いことも関わりによって正当化される。妄想と好奇心、大人びた本と映画と音楽。「革命」の響きに高揚し、沸騰する怒りを抑えない。そんな中に身を置きながらも倦怠感が滲んで…。どんなに赤裸々な日常を描いても下品に堕さない。これが島田雅彦の本領だ。
2011/10/22
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