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飢え

飢え

飢え

作家
群ようこ
出版社
KADOKAWA
発売日
1998-05-01
ISBN
9784048731010
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飢え / 感想・レビュー

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はな

群ようこさんが自分と林芙美子さんを対比しながら林芙美子の事を書いたエッセイ。放浪記も林芙美子さんもあまり知らなかったし興味も今まで読んだ事なかったけど1度読んでみよかと思いました。

2016/07/21

星落秋風五丈原

本書では、あるテーマについて、まず群氏自身の、次に林氏の体験が描かれている。「下関からパリーへ 」の項では群氏が「アメリカ恥かき一人旅」で触れた自身の旅の経験を述べた後に林氏のパリ旅行について語るという風に。ところで、林氏がパリに向けて旅に出たのは1931年11月12日。シベリア経由 で、シベリア鉄道に乗ったのだ。冬に向かう季節にシベリア鉄道に乗る。昔は、暖房設備が充実していたとも思えない。おまけに同じ年の9月には満州事変が起きている。今なら外務省が危険度のかなり高いランクをつける。よくもまあ思いきった。

2007/08/04

ジュースの素

ようこさんの実体験と林芙美子の放浪記の話とを並べて分析する面白い試みだ。当時のパリの風景や人々、林さんの感情のあれこれが楽しい。着物を着て塗り下駄を履き、石畳をポコポコ歩いたサマはさすがだ。 人に頼まれると嫌と言えなくて結局損をしてしまう性格などは、現代の合理性の中で生きている群さんにとって歯がゆい。 面白い対比で楽しく読めた。

2016/12/26

やまゆ

初めて林芙美子という人が少しわかった気がした。新しい「放浪記」の舞台を観てみたい。

2014/11/24

niki

数年前に林芙美子が少女時代に住んでいた家を尾道で見学し、その数ヵ月後に下落合の彼女の終の棲家を見学した。「ものすごく出世したな」というのが正直な感想だった。終の棲家は庭も含めてあまりにも美しかった。 極貧の母と義父を「なんとか安心させたい」という気持ちを強く持っていたことは知らなかった。意地悪なだけの女じゃなかったのだな。 パリで黒い下駄を平気で履いちゃった芙美子、嫌いじゃない。いいセンスだし根性ある。 戦後の多忙に加えて持病の心臓病の悪化。47歳で急逝。緑敏という素晴らしい男性と生きられたことが救い。

2023/06/22

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