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さいはての二人

さいはての二人

さいはての二人

作家
鷺沢萠
出版社
KADOKAWA
発売日
1999-12-01
ISBN
9784048731492
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さいはての二人 / 感想・レビュー

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烟々羅

前にも、表題作だけで満足して、まるっぽ一冊読まなかったような気がする。 今日は全篇読んだけど、思い出して語りたいのは表題作のことだけ。 ストーリじゃなくディテイルなんだよな。こんな構成の一話を、こんな構成が似合う内容のはなしを、わたしも昔から書けたら良いと思いつつ書けない。女流に多い文体の極

2012/10/16

アキ

見知らぬ間柄のふたりが、知り合ってみれば、互いに当たり前の世間から隔てられた者同士だった。「ふたりぼっち」…周りからは理解されそうにない不思議で親密なひととき。それもやがて、ひとは、独りと気づく「さいはての二人」。表題作ほか2編も、血の繋がりを前提にしない、心の交流を描いていてやはり切ない。ただ、生の向こうに死があるのは当たり前として、3編とも死をもって語らせるようで、気になる。デビュー時から読んでいたこともあり、若くして生に終止符を打った作者の心のあり様に耳を澄ますような読み方を、またしてしまう。

2019/01/16

RYOyan

表題作の行き場のない心模様とか「約束」のどうしようもない重暗さとか、そんな袋小路から僅かに続いていく抜け道が印象的でした。「三編の中では、ほっこりな感じの「遮断機」が一番好きかな。いずれにしても真っ暗闇から一筋の光が射してきて救われるところが良かったです。

2020/12/14

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

「さいはての二人」「約束」「遮断機」の3話。この本好きだなぁ。3つの話全ての主人公に寂しさが寄り添っていると感じた。けれどそれでいて読了後は暗い気持ちにならないのが不思議。鷺沢さんの他の小説も読んでみたい。★★★★

2009/06/12

かみーゆ

この季節なので鷺沢さんを。何年ぶりかな。見えないところにカサブタ抱えて生きてるような人のヒリヒリしたところを掬いとるの、ホントうまいな。本人もそういう人だったんだろうね。せんないことだと思いながら今だったらどんなの書いたんだろうって考えちゃうな。でも作品は残るし、これから新しく読む人にも届くものがきっとあるような気がします。

2020/04/15

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